第168話

「なんなら、彼氏呼ぶ?電話してあげるよ。」


葉子が、スマホよこせと言わんばかりに手を出す。


「呼べ呼べ。」


と新見くん。


「今日は四人で飲むんでしょ?」


と言うと、


「この際、アタシがハッキリ訊いてあげる。」


義仁さんが家庭のある人には見えないけど、確かに、もしかしたら、他に付き合っている人がいるのかもしれない。


「ほら、早く!」


手を出す葉子。


私はスマホを握りしめ、廊下に出た。

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