第158話

「奏。泊まりで出掛けようか。」


「え?いいんですか!?」


驚きながらも嬉しさを隠せないその表情が、新鮮でかわいくて、とても愛しい。


「ホテル取れるか、わからないけど。調べるから、待ってて。」


あ、俺、昨日着たスーツしかない。


着替えもないし。


どこかで服買ってから、出掛けるか。


ああ、そう言えば、車は会社に置いたままだ。


取りに行かないと出掛けられない…。


「奏。会社に車取りに行ってくる。すぐ戻るから。」


「わかりました。お泊まりの用意して待ってます!」


君は嬉しそうに笑ったのに。

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