第157話

「義仁さん、今日はどこか行きますか?」


朝食を食べながら君が訊く。


「どこか行きたいところあるの?」


「えーっと…」


腕組をしたり、頬杖をついて目を瞑ったりして考えてる。


「ふはっ。特にないけど、どこか行きたいの?」


「はいっ!だって、あまりお出掛けしたことないでしょ?」


そうだね。


仕事のない日は家族と出掛けてるから。


君の部屋には来ても、出掛けることは滅多になかったし。


「じゃあ、お任せでいい?」


嬉しそうに笑う君を見て、また、罪悪感を感じる。


妻子とは毎週のように出掛けて、それが当たり前になってて、ボウズは喜んでも妻は喜ぶことはない。


君には、俺と出掛けることが、当たり前じゃないって事だよね…。


「はいっ!お任せします!」

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