第141話

「ん…ふっ…」


キスしながら、部屋に入る。


玄関で靴も脱がずに角度を変えながらのキス。


「ずる…い。」


「なにが?」


「んんっ…」


背中と腰に回された手が熱を帯びてきて。


「キスで誤魔化すなんて狡いですっ!」


「奏?」


「葉子に言われました。」


「何て?」


「義仁さんは、既婚者か、それとも本命がいて私が浮気相手だから、朝まで一緒にいられないんじゃないかって。」


「奏は?奏はどう思ったの?」


「私は…一晩中一緒にいたい。朝を一緒に迎えたい。

そう思うのはワガママですか?」


「ワガママじゃないよ。今日は泊まるから。一緒に朝を迎えよう。」

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