第133話

「葉子、なんであんなこと言うの?」


「余計なこととは思ったけど、奏のこと、心配だから。奏、すぐ我慢しちゃうでしょ?

言いたいことも言わず、我慢して。

もっと我儘言ったり、甘えたりしていいんだよ?

奏のこと大事な男なら、甘えさせてくれるんだから。」


葉子の言うことはわかる。


でも、私の性分なんだもん。


でも、義仁さんとは、もっと一緒にいたい。


明日、連絡して、会いたいって言ってみよう。




「ところで、奏。」


「なに?」


少し目の据わった葉子が、ぐっと近づいてくる。


「あのあと、高野くんと、何かあった?」

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