第127話

「義仁さん、お疲れ様です。」


部屋のドアを開けた君は、少し高い優しい声で出迎えてくれる。


柔らかな笑顔で。


「ただいま。」


靴も脱がずに、君を抱き締める。


柔らかな感触。甘い匂い。




ずっと触れたかった。甘やかな香りに包まれたかった。


やっと、君に触れられる。



「義仁さん、上がってください。時間なくなっちゃいますよ?」



そうだった。


ここには30分しかいられない。


もっと一緒にいられたらいいのに。


朝までベッドでまったりできたらいいのに。

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