第60話

「なんで一緒にいるの?デート?」


自販機で飲み物を買っていると、後ろから話しかけられる。


振り向くと、主任が俺を睨み付けるようにして立っていた。


「焼きもちですか?家族団欒で動物園に来ているような人が。」


「奏はっ…」


「休みの日に一緒にいられないくせに、彼氏気取りですか?」


「昨日は、一緒にいたよ。」


「朝まで一緒にいましたか?無理ですよね?」


「それは…」


「彼女が心配するので戻ります。

せいぜい、彼女と鉢合わせたりしないように、回ってくださいよ。」


悔しそうな顔をした主任を置いて、俺は安藤さんのところに戻った。

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