第6話

「豆、その都度挽いてるんだね。」


「学生時代、カフェでバイトしてて。その延長で。」


「毎日でも飲みに来たいなぁ。おいしい。」


「そうだ。主任の好きなタイプは?」


「俺は、一所懸命なコが好きかな。

安藤さんみたいな……」


そう言いながら、私の髪をさらっと触る主任。


その時見せた主任の顔が色っぽくて、恥ずかしくなった。


「コーヒーご馳走さま。帰るよ。」


「送っていただいて、ありがとうございました!」


「そうだ。まだ聞いてなかったな。安藤さんの好きなタイプ。」


「私…」


「うん。」


「部長みたいな人がタイプですっ!」


「部長?」


主任は目を丸くして、それからクスクス笑い出した。


「そっか。おやすみ。」


「おやすみなさい。」

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