ＧＭ：セッション第１回『２千ガメルを取り返せ！』は無事成功。お疲れ様！　頑張ってくれた君たちに経験点をあげましょう。

セリーナ：うぉー！　いっぱい成長しますよー！

ＧＭ：通常の『ソード・ワールド2.5』では第１回の冒険の内容で計算すると、経験点は１，０６０点になるのですが……。

アロン：ですが？

ＧＭ：今回の連載企画はグループSNEの社長、安田均大先生から、初代『ソード・ワールドＲＰＧ』のエッセンスを取り入れた作品にするように指示が出ているので……。

ガンデイン：出ているので？

ＧＭ：初代『ソード・ワールドＲＰＧ完全版』の選択ルールである経験点計算式を採用しようと思います！

アロン：そう言われてもピンと来ないな。

ＧＭ：ですよね～。そう言うわけで具体的な数字で話しましょう。皆さんにはセッションの最大の障害となる魔物レベル×500点が配布されます。前回倒した魔神ダブラブルグの魔物レベルは６でしたので、本来なら１，０６０点のところ、６×500の３，０００点を渡しちゃいまーす！　持ってけ、ドロボー！

ガンデイン：そんなに経験点もらえんの!?

ＧＭ：そんなにもらえちゃうんです！　さらに闇ギルドを壊滅させた報酬として遺跡ギルドからひとり７，０００ガメルの報酬が支払われます。

ガンデイン：へぇ～。結構もらえるんだな。

ＧＭ：ルールブックⅢの報酬目安によると依頼達成で４，０００ガメル、その他の報酬として３，０００ガメル貰えるらしいから１セッションで７，０００ガメルの収入はそう不自然じゃないかな。

　リプレイ執筆時に気づきましたが不自然です。この時、ＧＭは報酬表を読み間違えています。

　依頼達成とその他報酬を合わせて４，０００ガメル。内訳が依頼達成報酬３，０００ガメルとその他報酬１，０００ガメルが正しい報酬目安なので読者の皆様はご注意を。

セリーナ：能力値は何が伸びるか楽しみですね。

ピッピ：ぴ？　せっかくもらった経験点を能力値の成長に回すっぴか？　それはちょっともったいない気がするっぴ。

ガンデイン：何言ってんだ？　能力値は経験点と関係ないだろ。

アロン：あー、そう言えば初代『ソード・ワールドＲＰＧ』は経験点で能力値を伸ばせるんだっけ。

〔能力値の成長〕

　初代『ソード・ワールドＲＰＧ』では能力値を伸ばそうとすると少なくない経験点を支払う必要があります。一方、『ソード・ワールド2.5』ではセッションを１回終えるたびに、サイコロを２つ振って出目に対応する２種類の能力値からどちらか１つを選び、１点成長させられます。

ピッピ：能力値がタダで成長するなんて嬉しすぎるっぴ！

ＧＭ：それじゃあ、キャラクターの成長を行っていこう。

　現在のデータと経験点を見ながらレベルアップの処理を行うプレイヤーたち。

一体、第２話ではどんな活躍を見せてくれるのでしょうか？　ＧＭの青猫も楽しみです。

ＧＭ：そろそろ良い時間なので順番に成長報告をお願いします。

アロン：戦士（ファイター）のレベルが５→６に上がった。冒険者レベルが６になったことで種族特徴［剣の加護／運命変転］の効果が強化されて、サイコロを裏返したうえでさらに出目に＋１できるようになった。

ＧＭ：能力値は何が上がったのかな？

アロン：能力値成長は生命力が１点上がったよ。それと、たくさん報酬がもらえたから防護点＋１の装飾品〈ブラックベルト〉と魔法などへの抵抗力が上がる〈月光の護符＋１〉と〈陽光の護符＋１〉、３点のＭＰを溜められる〈マナチャージ・クリスタル〉を購入した。

　ほらぁ、間違えて報酬を２倍近く出したものだからアイテムをめちゃくちゃ揃えられてる。

　有り余るお金でアイテムを買い揃えて無双する『バブリーズ』（初代『ソード・ワールドＲＰＧ』のリプレイ作品）みたいになっちゃってるじゃん！

ガンデイン：オイラは、射手（シューター）レベルを３→４に伸ばして、器用度が成長した。これで器用度が24に上がって６の倍数になったから器用度ボーナスが＋４になったぜ。技能成長と能力値成長合わせて命中力が２段階伸びたってこった。買い物は〈活性弾〉や〈銀の弾丸〉みたいな特殊な弾丸を買い揃えてみた。

ピッピ：ピッピは冒険者記録用紙（キャラクターシート）を改めて、ソード・ワールド2.5にコンバートしたものを成長させたっぴ。盗賊（シーフ）に相当する軽戦士（フェンサー）技能が５→６に上がって、学者（セージ）技能を新規取得したっぴ。

ＧＭ：話せる言葉が増える学者（セージ）技能は良い選択だね。

ピッピ：学者（セージ）技能の言語取得で、この大陸の交易共通語の会話を覚えたからセリーナお姉さんの通訳なしでみんなと話せるようになったっぴ。ただ交易共通語の読文は覚えられてないから、字の読み書きはまだできないっぴ。

ＧＭ：能力値は何があがったのかな？

ピッピ：能力値は敏捷度が伸びて通常移動の距離が25メートルになったっぴ。買い物は筋力が低すぎてまともな攻撃は出来そうにないから武器屋のおじさんに頼んで水風船を見繕ってもらったっぴ。

〈水風船〉

　投擲武器〈ウォーターバルーン〉のこと。

　敵に投げつけると中に込められた水が魔法の力で弾けてダメージを与える使い切りの武器。敵の防護点を無視するため低筋力の武器でありながら実質的なダメージは高め。その分、お値段も高め。

ピッピ：物理ダメージ軽減を貫通してダメージを与える水風船、怖すぎるっぴ。こんなアイテム、オーファンのどこにも売ってなかったっぴよ。

ＧＭ：じゃあ、最後はセリーナ。

セリーナ：私は学者（セージ）技能を３→５に上げました。メインの神官（プリースト）技能は上がりませんでしたが、能力値は精神力が伸びてＭＰが37になりました。まとまったお金は手に入ったものの、それでも毎日の生活は大変で、どんどん出費が増える一方です。この間もいろいろな病気に効くという〈一角獣の角〉を買ってみました。今度、故郷に送ってあげましょう。まだまだ、弟のためにも頑張らなくちゃいけませんね。

ガンデイン：恐らくもう治ってるであろう弟のためにデケェ買い物を……。〈一角獣の角〉って５千ガメルするぞ。

セリーナ：２本買ったので１万ガメルです！

アロン：弟さんのために10万ガメル貯めるんじゃなかったのか？

セリーナ：これから貯まります、きっと！　ですよね、ＧＭ？

ＧＭ：いや……どうかな、10万ガメルは厳しいと思うけど……。とりあえず成長報告が済んだところで第２話『信者の村に潜む闇』を初めていこうと思います。よろしくお願いします！

PL一同：よろしくお願いします！