愛する人へ

折れかけシャーペン

男子高校生

前が見えない。

昨日あまり寝つけなかったからだろうか。


……ーーーー



「れん、大丈夫なんだろうな」


思考を巡らせていた僕は不意に声をかけられた


誰かと思えば担任だ。


顔がでかくて気持ちが悪い。


女子に贔屓する、よく見るくそじじいだ。


「はい。」


不意に名前を呼ばれた僕には


これぐらいの返事しかできなかった。


大事な案件を任された僕


自分でこの委員についたのだが


だいぶめんどくさい。 疲れるのだ


今の僕には理解力がない


言葉に責任もない


もちろん担任や、クラスメイトからも


信頼があまりないだろう。


俗に言う「馬鹿」というやつだ


僕はそんな言葉には負けないが


周りの視線にはめっぽう弱い。


怖くて休み時間席が立てないほどだ


どうしてこうなったのだろう。


中学の頃の僕と比べてしまう


前の僕は


先生に好かれ、友達にも恵まれ


部活も中1からスタメン、彼女もいた


今はその真逆だ


小6の頃には集団から避けられ


暴言も吐かれた


その頃からだ、目線が怖くなったのは


格好が悪い。悔しい。


机の上には二本のボールペン


シャーペン、消しゴム


筆箱はしまう。


自分の行動範囲が狭まれると感じるからだ


机の上ぐらい自由に動きたい


二本のボールペンは


冬の夜寄り添いながら歩くカップルのように


くっついている。


壊れかけのシャーペン


丸くなった消しゴム







今日も僕は僕を感じながら時間を流していく




僕はいつも前が見えない。



































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