あの日、姉は確かに17歳だった

井関和美

表紙

「もう、いいや……」

そのひと言を最後に、優しくて美しかった姉は、僕の目の前からいなくなった。

あまりに唐突で、信じられなくて、まるで世界中から色彩がなくなってしまったように感じたあの日から12年。

当時の姉と同じ17歳になった僕は、

どこか壊れてしまった両親と暮らす家と、姉が通っていた高校の教室の片隅で灰色の毎日を過ごしていた。

姉の十三回忌の日、「彼女達」が現れるまでは……。


(完結作品)


魔法のiらんど大賞2021小説大賞応募作品

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