第66話
†
ホークアイは呆れたように息を吐き出していた。
あの男、サウンドの視界を奪おうとして煙幕弾を投げたようだが、そんな事したってムダなのに…。
ホークアイはモニター画面の一つに目をやる。それには煙幕の中でうっすらとシルエットを映すサウンドの姿があった。
ホークアイはトランシーバーのチューナーを合わせ、サウンドに話しかけた。
「おい、何を遊んでるんだ?今の状況なら一分かからず殺れるだろ」
『ふん、少しは遊ばせろ。それに』
トランシーバーに返ってきたサウンドの声は、やっと聞き取れるかと思えるほど小さいものだった。恐らく、自分の位置を相手に知らせない為だろう。
そんなサウンドの小さな声は続く。
『どうやら仲間の助け船が入るようだしな。ハンデ付けてやろうかと思ってよ』
「仲間!?また誰か侵入したのか!?」
『いや、そうじゃねえ。奴以外の足音は聞こえない。多分、インカム型の無線かなんかだろうな』
ホークアイは、今度は安堵の息を漏らした。
ボスから、「予定以外の侵入者」は必ず殺せという命令を受けている。ずっとモニターを監視していた自分がそれを見逃したなんて知れたら、ただでは…。
「…?何だこれ…」
もう一度全てのモニターをチェックしようとしたホークアイは、やっと小さな異変に気付いて焦りを感じ始めた…。
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