その病、致死性はないが致命的につき。

久繰 廻

プロローグ 僕の名前は正体不明

 ―吾輩はてんである、名に意味はまだない。-


 あからさまだけど、文豪_夏目漱石のパロディ。僕は名前を天って云うんだ、覚えていってね。それで早速タイトルの解説本題に入ろう。


 小学生の頃、親に名前の由来を聞いてきなさいって宿題、みんなにも出たと思う。3,4年生ぐらいだったかな。特に反抗期がやってこない僕だったから


「ねえねえ、宿題で名前の由来についてきなさいって言われたんだ。」


 プリント片手に両親に訊いた。


「あー、名前の意味?Xよ、X。」

「Xって時計版で10、英語でテン。音がの漢字から天を選んだってわけっだ。」


 ああ、わが両親よ。二人とも文系だったろうが~!!そう、文系の両親からそんな理系的な由来の名前を付けられたのである。まあ、名前被らないし、一度で覚えてもらえるしね。あと、xは変数或いは未知数でをっていう願いが込められてるんだろうな。


 名は体を表す。僕の人生をザックリ振り返ると一貫性がない。小学校の通知表は体育だけが三段階中の2。だのに、イジメ解決のために気合だけで喧嘩最強。見ててヒヤヒヤする不安定さで損得度外視の意味不明な行動。誰からも縛られず、で名前の通りの人生。出来過ぎた12年。家族、環境、能力に恵まれた人生だったと思う。いや、今でも恵まれてはいるか、恵まれているように見えるな。特に能力は。まるで少年漫画の主人公。確率なんてまるでないみたいに、ドラマチックで絵になって。


「人生プラマイ0って聞くしこの先は地獄かな?」


 そんなことを小6にて呟くほどにには心の底から。親父の口癖_口は災いのもと。言霊には力があって、現実になってしまうから。もしも、んなら。僕は口をつぐむ。それが今の僕を抹消することになったとしても。


 今からお伝えするのは僕の泣き言、恨み言。


「僕は天を呪ってる。」


 嗤ってくれても構わない。聴いてくれ。

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