近くのコンビニに走りこんでやっと緊張感から解放される。

「緊張感…何で緊張？」

確かに和真くんはイケメンだけど凄い残念な人だって知ってるのに。

雑誌コーナーで立ち読みする振りして考えを纏める。

和真くんってファッションセンスは皆無。年誤魔化してるし。

でも綺麗だよね。凄く面倒見いいし。

調理場のおじさん達とも仲いいし、仕事は要領よくテキパキこなすし女の子にもモテる。

背高いし、勉強…出来るかは知らないけど頭はいいと思う。優しいし思いやりもあるし。声も好きかも。

好き？

いやいや、声が！

声だけ？

違う！

煙草と香水の匂いも私をからかう意地悪な顔も。

私って…。和真くんの事こんなに好きだったんだぁ。

今頃、てか今更。

バイト先今日辞めるのに。

もう今迄どうりには会えないのに。

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