第27話

「何で誕生日…」

ゆかりさんにだって言ってないのに。

知ってるのは佐々木さん位。首を傾げる私に和真くんは

『情報源は秘密。』と笑ってる。

佐々木さんに聞いたのかな。


「あ…ありがとう。私、男の子にプレゼントもらうの初めて。」

顔を上げてにっこり笑えば今度は和真くんが固まってるし。

どうしたんだろ!?


「ん、じゃ俺今日は外出るから。」

そう言うとドアに向かう和真くん。


「ちょっと待って。私も渡す物あるっ。」

今度は私が和真くんの袖口を掴んで止める。


「は?」

振り向いた和真くんに冷蔵庫から取り出したお弁当を渡す。


「今日までお世話になったお礼です。」

差し出したお弁当を反射的に受け取る和真くん。

あれ?反応がない。

無言。

もしかして突き返される?それはキツイ。


「レンジで温めれば美味しいし、おにぎりは鮭。唐揚げときんぴらごぼうも入ってるしっ。玉子焼きも甘いからっ。食べてもらえる?」

長身の彼をおずおずと見上げた。

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