case11.ルール重視

【某連絡アプリのスクリーンショット】


Taku : お前今何の闇バイトやってるー?


AAA : 何で?つか急だな。三ヶ月ぶりに送るメッセそれで合ってる?


Taku : 悪い悪い、ちょっと今給料良い闇バイト探しててさ


AAA : お前のめり込んでたもんな。もう一通りやった感じなん?


Taku : おー。ただ運悪く強盗やっちまってさ、今頑張って逃げてんだよな(笑)捕まったら豚箱コース!(笑)


AAA : おまエグww


AAA : 最近強盗やったん?


Taku : そーそー、ただの運送業だと思って応募!面接行って即合格!足取り軽くバイト先へ!なんとやらされたのは強盗バイト!(笑)


AAA : こえーw現代の闇w


Taku : 闇バイトから足洗おうとしたら、うっかり泥水に足突っ込んだのヤバくね?(笑)


AAA : お前毎回変な闇バイトばっか引っかかるよなぁ。俺言っただろ、簡単そうな闇バイトほど裏が怖いってよ


Taku : はいはいさーせんさーせん


Taku : でも、んな言ったって変なバイトやってないっしょ俺


AAA : 何だっけ、大学ん時お前がやってたの


Taku : んー、何だっけ


AAA : 食葬だったか?あの、豚食わされたやつ。それも絶対おかしいからな。闇バイトでそんな甘い話はないんだわ


AAA : 豚と人間の臓器ってほとんど一緒とか、不穏な話もよく聞くし


Taku : まあまあ!そんな事よりさ!おすすめの闇バイト教えてよ!今なんかやってないの?


AAA : 話題転換雑すぎか


AAA : まあ、あるにはあるけど


Taku : どんな?


AAA : ルールを守るバイト


Taku : ???


Taku : 交通ルールとか守ったらいくらか貰える感じ?


AAA : んなわけ無いだろww


AAA : 一週間に一通、家に届く書類にルールが書かれててさ。それを一週間守んのを計四回、契約期間一ヶ月分やるバイトな


Taku : ルールって、例えば?


AAA : んー、俺の場合今んとこ「一日一回塩水を飲む」とか「朝に庭の土を食べる」とか


Taku : えキッショ


AAA : 聞いといてその反応マジ??


AAA : でもまあ、こんぐらい変な内容の方が安心するけどな


AAA : 闇バイトって感じのしない闇バイトがいっちばん裏読めねぇんだから


Taku : お前ってドMだったんだな……そうか……


AAA : 違うっつーの!


AAA : まあ、そんな感じ。給料は月40万。まあぼちぼちだな


Taku : へぇ


AAA : あ、すまん、配達員来たから離れるわ


Taku : そー


AAA : あれ、なんか書類来た。おかしいな、まだ次書類来るまで二日あるはずなのに


Taku : そーいやさぁ、裏バイター探してるって人がいるらしいんだけど。知ってる?


AAA : 知らね。なんで?


Taku : ██さんが失踪したんだと


AAA : え?██さんって、結構裏バイターの中で有名な人だよな?


Taku : へぇ、そーなんだ


AAA : いやお前、██さんには恩があるって言ってたろ。んだよ、その興味なさげな反応


Taku : ってかお前良いの?


Taku : ルールに"バイトの事は口外無用です"ってあったろ


Taku : あーあ


Taku : おーい、逃げちゃった?おーい


AAA : お前、誰だよ


AAA : なんか変だと思って他の裏バイターに聞いたら、お前、失踪したって


AAA : それにお前がバイトのルール知ってるわけねぇし、


AAA : つかなんだよこれ、書類、アマノカエリって人名だよな、ルールじゃないよな


AAA : は!?誰かが家の外で叫んでんだけど、お前か!?


AAA : 揶揄うのもいい加減にしろ!!


AAA : 何が万歳だ、どうしてくれんだよ、これでバイト契約切られたら給料ゼロなんだからな!


AAA : 絶対そこ動くなよ!!


AAA :


AAA : あ





※このお話はフィクションです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る