case4.埋立単発バイト
【都内××事故 被害者のドライブレコーダーに残された録音】
「埋立単発バイト?なんそれ、土木工事的な?」
「知らねぇの?大学で超話題になってるぞ」
「だって××(被害者名)と俺、大学ちげえじゃん」
「それはまあ、そうだな」
「んで何、埋立単発バイトって」
「大学の掲示板あんだろ?そこにな、たまぁに、埋立単発バイトって書かれた求人情報が貼られてんだよ。時給一万で」
「時給一万!?どう考えたって詐欺だろ!」
「やっぱそう思う?でも、バイトに採用された学部のヤツらが何事もなく終えて帰ってくるから、俺もやってみたんだよな」
「うわ、知らねぇぞ。俺連帯保証人になんてならないからな」
「しねぇわ」
「で、仕事内容はいかほど?」
「空き地にある水溜まりを埋めるだけ」
「……ん?は?」
「まあ意味不明だわな。これで時給一万貰えるんだから、大学で話題になってんだけど」
「待て待て待て。空き地の水溜まり埋める?それやって何になんだよ?」
「知らねぇよ、俺が聞きたいぐらいだわ。なんか土とスコップ渡されて、空き地に五人ずつ配置されてさ。で、水溜まりがあったら土をかけて、スコップで固めて……時給一万ゲットって感じ」
「こっわ、めっちゃ裏ありそう。個人情報とか売り飛ばされてんじゃねぇの?」
「いやいや……あ、でも」
「ほら見ろ、絶対なんか思い当たる節あったろ」
「アマノカエリサマって書かされたんだよな」
「アマノカエリサマ?」
「そー。空き地に行く前に白紙渡されて、そこにアマノカエリサマ、ってカタカナで」
「何それ怖……」
「つか、よく考えたら色々不気味だったな、あのバイト。雇い先の人?はどっか行っちまうし、水溜まりなんてどこにも無かったはずなのに、気づいたら湧いて出てるんだよ。ゴポゴポ、つって」
「……」
「あ、言い忘れてた。この話、一応口外無用だから。ここだけの話にしてな」
「……」
「おい、何黙りしてんだよ。まさかビビった?」
「いや……お前さあ……じゃあ、これ、お前のせいだったりする?」
「これ?何が?」
「頭が溶ける」
「は?」
「やべぇよ、急に熱いんだよ、ぷちぷちって、俺、死にたくねぇよ」
「何、え、いや、え?俺の事ビビらせようとしてんの?」
「ああああつい、熱い!ひ、おまえ、おまえ!!おまえが言ったから!!」
「ちょ、待て、分かった。話聞くから、車、車止めろ……なあ、止めろって!」
「誰だよおまえ!!くそ、クソ!!あ、あ、あ、」
「おい!!前赤信号だぞ!!」
「アマノカエリサマって、言ったから」
「ッギ、」
ごぽり。
────【ここでドライブレコーダーの記録は途切れている】
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※このお話はフィクションです
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