リリース・ギフテッド
遊佐 浮幽
プロローグ
もう、いやだ。解放してくれ。
最初は落ち込んだ。
次に一度あきらめた。
その次に絶望した。
その次はなんで自分がこんな目にと自分の運命を呪った。
そしていまは自分が不幸だとすら思わなくなっている。
私は、人を殺した。
呪いで変化しただけなのに、私を殺そうとするから殺した。これはあきらめていた頃の私。
次に、親しかった人間を殺してしまったことで抵抗することを辞めた。
その次に、死ぬことすらできない自分を呪った。
そして、いまは死ぬことすらほぼあきらめている。
神は残酷だ。こんな姿になった私が死ぬことのできる唯一の条件を私に知らせた。
ほぼ不可能なその条件を聞いたから私はあきらめた。
なあ、神様。
私はもう2度と人間に転生できなくてもいい。魂が消滅してもいい。永遠の地獄を与えてもいい。
だから、私に終わりをください。
存在するだけで魔物を生み出し、不幸をばら撒くいまの私に、どうか、終わりをください。
そのための奇跡を起こしてください。
ああ、
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