第7話 Sランク狩人は決意する
どうやらミア達は俺が気絶している内にお風呂に行ったようだ。思わず天井を仰ぐ。涙が溢れないように。
「い゛っ゛じょ゛に゛はい゛り゛だがっ゛だ…!」
だって美少女達とのお風呂だぞ?しかもなんだかんだ俺を慕ってくれているミア達だぞ?誘ってくれたんだぞ?そんなの入りたいに決まってんじゃんか!万が一何かの罠だったとしても構わなかったのに…!
「うあぁああん!俺のアホ!ヘタレ!このポンコツ!…グヘッ!うぅ…何やってんだ俺は…」
頭を抱えて自室のベッドでゴロゴロする。勢い余ってベッドから落ちた。カーペットだからそんなに痛くない。芋虫のようにモゾモゾする。
「ま、まぁ、夫婦になったばかりでまだデートもしてないし?まだ俺達には早いっていうか?うん、そうだよ。うん…」
自分に言い聞かせる。何故か声が震えていた。同時にデートに思いを馳せる。
「(デートかぁ、ミアは確か水族館に行きたいんだったな。ノルンさん達は何処に行きたいんだろう?ノルンさん結構可愛い物好きだし、ファンシーショップのデートもありかな?ミタマさんは綺麗な景色が好きみたいだから、んー、光の滝や天空の鏡とかいいかなぁ?ショコラは食べるの好きだし食べ歩きもいいかも。メルトさんは動物好きらしいから、犬猫カフェとか?アヤナは本が好きだから本屋デートとか?)」
なんとなく何処にデートに行くかを考える。一緒に楽しめるなら何処でもいいし、彼女達となら何処でも楽しそうだ。
「まぁデートに関しては話し合おうか。俺一人で決めた所で経験ないんだから分からないし。彼女達の希望もあるしね。無理強いは良くない」
分からないものは分からない。なので一旦保留。デートの事を考えていると冷静になってきた。立ち上がるとグシャグシャになったベッドを片付ける。
「ん、やる事もないし、鍛錬でもするか」
裏庭の鍛錬場に向かう事にする。他の女性は分からないがミアは結構長風呂である。まだ出ないだろう。
◆◇◆
「よし、そんじゃ今日もよろしく頼む!」
『了解です。マスター』
目の前には漆黒の鎧騎士が20体ほど。彼らは俺が作ったゴーレムだ。名は『影騎士』幸運な事にどうやら俺にはゴーレム作りの才能があるらしい。とはいえ師匠と比べればまだまだだが。
『影騎士』は俺の影から生み出した存在。正確には影を媒体に魔力で生み出したものだ。これは俺が『影魔法』という魔法が使えるから出来る事だ。影魔法は『闇魔法』の一部である。母さんが闇魔法を使えるからその力を受け継いだ訳だ。影から生まれた騎士だから『影騎士』である。そのままだが、シンプルイズベストって事で。
ちなみに彼らは結構強いと思う。魔界の守護者である魔導騎士団と互角に渡り合えているから弱くはないはず。それに影騎士は俺の魔力が尽きるまでいくらでも作り出すことが出来、傷も自動修復するため継続戦闘能力も高い。俺の自慢の騎士達だ。
「でも、魔王様や王妃様には敵わないんだよな〜あの二人マジで強すぎ」
過去に一度、魔王様と王妃様と手合わせしたことがある。こちらは二万人の影騎士で、向こうは二人。いや、実質一人。というのも一人が戦っている間はもう一人は見守るのみ。魔王様が戦っている間は王妃様が見守り、王妃様が戦っている間は魔王様が見守るといった感じで順番に戦ったのだが結果は完敗。たった一人に二万人もの騎士達が薙ぎ払われていく様に悔しさや恐怖などなく、もはや清々しい。
あの二人はまさに天下無双だ。無双なのに二人いるじゃんって?いいじゃん強すぎるんだもの。
ちなみに魔王様ことアルバート様には姉がおり、名をセシリア様と言うのだが、そのセシリア様とセシリア様の夫であるミナト様も最強の一角である。『炎神』と『水神』という二つ名を持ち、たった一人で数万人もの軍隊を圧倒する力を持つ。現在魔王様や王妃様の側近の近衛騎士を務めている。
また、魔王様の無二の親友であるスカーレット様も武人なら名を知らぬ者は居ないほどの英雄である。かつての大戦で数十万の軍勢相手に寡兵で勝利したという。現在スカーレット様は魔導騎士団統括を務めている。魔王夫妻、その身内、友人とちょっと戦力結集しすぎじゃないですかね?
「そう考えたらSランクの狩人って言ってもまだまだだよな〜頑張って強くならないとね。ミア達を守るんだから」
ミア達は強い。でもだからといって無敵じゃない。弱点もあるだろう。俺にも弱点はある。というか弱点は多いと思う。特に女性相手だと顕著だ。ハニートラップとか超弱い(断言)。経験無いけどね。
だからこそ支え合って行けたらいいなと思う。まだ実感が無いとはいえ、夫婦になったのだから。
そのまま時間を忘れて鍛錬し、気付けば夜も深まっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます