第153話
――おかしな薬盛られて消されようとしたのは自分が悪いってこと?
――あきらか理不尽な目にあってるのに。
――なんで矛先をぜんぶ自分に向けるの? この人は。
胸にめぐるあれこれを、プレヌは一言で結論付ける。
「ほんとに、おかしな人」
そしてお待ちかねの一口を、ぐっと飲み干したあと、
「でもね」
困ったように、プレヌはロジェに笑いかける。
「わたしがあなたを買うのは――そういうあなたがから」
戸惑い見つめてくる彼をそのままくるんで、めちゃくちゃにしてしまいたくなるなにかがプレヌの中に込み上げてくる。
なんでそこまでと。
見てると悲しくてむしゃくしゃして切なくて、どうしようもないほど。
火傷するほどあたたかい心。
最後の一言をもって、プレヌは彼への返答に変えた。
「だからなのよ、ロジェ」
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