なまえ

なまえ

その植物はヒノキにそっくりで、でもヒノキとは違うもので、だから人々はこう呼んだ。



翌日(あした)、檜(ひのき)になろう



ーー… 翌檜(あすなろ)。



でもいつだって"明日"は掴んだ瞬間、"今日"に変わって、いつまでも経っても、"明日"は無くなりやしない。


希望の姿には、なれない。



アスナロはヒノキじゃない。



それでも願うのだ。



明日はなろう、と。



そうやって生きていく。




「あす」



「……」



「明日美(アスミ)!!」



「……聞こえてますよ、南朗(ナロウ)先輩」



「……じゃあ返事しろよ」



あす ナロ

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