『クラスの姫(通称)は俺にだけ微笑む』~姫ほほ特別編SS:お姫様の仰せのままに~
ますぱにーず/ユース
Ep.x+3 -「…ん、そうだ。今から月守くんの家でお昼食べよ―よ」-
結華とデートをして、ショッピングモールの中にある本屋併設のカフェで昼食をとることにした。
「色々あるね」
「だな、結華はどれがいい?」
「私は…何にしよっかな」
「―――あ、響谷じゃん」
結華とメニューを眺めていると、後ろから声を掛けられる。
後ろを振り向くと森谷と篠宮が立っていた。
「森谷…と篠宮」
「やっほー、お二人様はデート中?」
「うん。そういう森谷達もデート中だろ?」
「まぁ、そんなところ。どうせならここで昼飯食って帰ろっかなって思ってたところ」
「…ん、そうだ。今から月守くんの家でお昼食べよ―よ」
「お、いいじゃん」
「…どうする、響谷くん?」
「まぁ、しゃーないかぁ」
■
「たっだいまぁ」
「お邪魔します」
「おじゃましま~っと。そういや響谷の家ってそんなに来たことないな」
「そうなんだ、てっきり5回くらいは来たことあるのかと思ってたけど」
「確かにそう言われれば森谷が家に来たことってないかも。…まあ、取り敢えず手洗って」
「「はーい」」
「私たちはキッチンの方で洗お」
「そうするか」
手洗い場に森谷達が入ったのを確認して、俺たちはキッチンに向かう。しっかり手洗いをして、今日使う予定だった食材で適当にお昼を作る。
「うわっ、めっちゃいい匂いする」
「ほんとだ…」
手を洗ってリビングに来た森谷と篠宮がスンスンと鼻を鳴らしながらそう呟く。
「…おーおー、こりゃまた大勢の来客だな」
寝てたのかは知らんが2階から葵がやってきてそんな事を言う。
「響谷、この人誰?」
「…あー、響谷の保護者でいいと思う」
「ほぇー、すっごく美人さん。彼氏さんとかいるんですか?」
「あんまりそう言う事他人に聞かないほうが良いぞ、人によっちゃ地雷踏み抜く可能性も十二分にあるからな。…で、彼氏はいないしいたこともない、だから処女」
「しょ…。…そ、そうですか」
あんまりそう言う事さらっと言うなって、葵…。
「ってか男は1人だけか」
「お前がその発言すると危険な匂いしかしないからやめろ」
「私は恋人なんざ作らねぇよ」
「母さんみたいにならないようにか?」
「まそんなとこだな」
「…ん?母さん?葵さんはお母さんじゃないの?」
「ん?だから保護者だって。血縁関係はないしも養子縁組も組んでない」
「…その、あんまり聞いちゃいけないかもだけど、お母さんは?」
「…君らさ、もうちょっとデリカシーっていうのを大切にしたほうが良いんじゃないか?友人とか親友だから何でも聞いて良いって訳じゃないんだからさ」
「珍しく葵がまともな事言ってる…明日世界終わんのかな」
「お前の中の私の評価どうなってんの?」
…どうなってんだろ。
「…さぁ?」
なんて葵や森谷達と会話をしながら作った昼食を人数分の皿に盛り付ける。
「ほい、適当だけどチャーハン」
「…適当でこのクオリティってマジかよ…」
「こいつの家事スキル高いだろ?」
「まあ、葵には負けるが」
「謙遜すんなって。今はもうお前の方が家事出来るだろ」
どっちかと言うとお前が家事しなくなっただけなんだよなぁ…。
「………」
「………」
森谷と篠宮はそんな会話をしてる俺らを気にも留めずチャーハンを夢中に食べている。
「はは、こりゃ相当気に入られたみたいだな」
「まあ、美味しそうに食ってくれてるから良いけど」
「響谷くんの料理はお店出してもやっていけると思う」
「そうかな?」
「ま、稼業としては飲食店経営も全然ありだと思うぞ」
■
「いやー、美味かった…」
「こんな美味しいチャーハン食べたのは初めてかも。いっつも冷凍食品かインスタントだったし」
「…さらっと言ってるけどそれって―――」
「―――半分、というか9割方育児放棄かな。学費とかは最低限出してくれてるけど。おかげで自由にやれて助かってるけどね~」
そのメンタルの強さが俺に欲しかったよ。
「…ま、似た者同士は引かれ合うって事かもな」
「まぁ、かもしれんけど…。別に似た者同士って訳でもないと思うけどなぁ」
ひとまず俺の家の簡単な案内をして、使われてない空き部屋に場所を移す。
「ってか響谷の家空き部屋多くないか?」
「まあ確かに」
「何でこんな部屋数あんの?」
「さぁ?」
葵曰く部屋は多いほうが良い…との事。
「多分泊まりに来た人達用…何じゃないのかな」
「だとしてもこんな部屋いる?」
「…いらないと思う…」
「そういえばさ、お姫様は月守くんの好きな所見つかった?」
「やっぱり詳しくは分からないけど、でも多分好きなのは響谷くんだから、だと思う。響谷くんの性格だから好きになった…んだと思う」
「でもそれってあんまり好きの理由になってないんじゃない?」
「…そう、かな」
好きの理由は人それぞれだからなぁ…言語化できないことだってあるわけだし。
「だけど好きなものは好きだから。盗ったりしたら…」
「しないよそんな事」
「流石に篠宮はそんなことしないって。っていうかそもそも篠宮は俺の彼女なんだからさ」
「あ~、確かにそう言えばそうだったっけ」
…あぁ、なんかそう言えばそうだった気がする。
――――――――
作者's つぶやき:響谷くんの料理…一度で良いから食べてみたいですね。
ちなみに家事出来る度は
葵≧響谷>結華>>>>>篠宮>>>>>>>森谷
こんな感じですね。
適当で美味しい料理を作れるのなら、本格的に作ったらどうなるんでしょうか。
ちなみに言うと、響谷くんの料理の美味しさはサイゼ〇ヤより美味しいくらいです。
辛味チキン美味しいです。
――――――――
よろしければ、応援のハートマークと応援コメントをポチッと、よろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます