第18話 学院襲撃

 10月に入り、夏休み以降一切の邪魔がなく、ゆっくりと研究に励んでいた。

 リアのお陰もあり論文の予定文字数の半分は埋まった。どうも異世界の言葉は複数あるらしく、文法が異なるものもあれば、発音だけが同じで文字が違ったり、と地球に存在する言語のように民族、人種、地方によって千差万別だ。

 今日も午前は必須科目を受けて午後は研究室でリアの国の言葉を研究しようと思っていたが……

ダダダダダダ!!

 教室に銃声が響く

「静かにしろ!!」

 教壇に戦闘服を着たテロリストらしき人物が大声で周りを静止させる。

「何だ!あんたらは!!」

 一人が声を上げたと同時に銃声が響き声を上げた一人が声を上げ周囲がざわめいた。

「もう一度言おう…静かにしろ!!」

 テロリストたちが占拠した理由を話している中、講義終了のチャイムが鳴ると、元から居なかったのではと思うほど自然な動きで、数人が帰っていく。

「!?」

 テロリストたちが慌てて銃を構えるがその頃には帰宅のため動いた奴はもう教室を出ていた。

すると、放送部の生徒の声で放送が掛かった。

「えー、校舎及び敷地内にいるテロリストの皆さんに言う。我が学園では、あらゆる方面で優れた人物しか居らず、何が起きてもある程度の耐性がある為、意味を成さない。さて、残っている生徒の皆さん、張り切って追い出しましょう。」

 放送が切れると数人の体育系部活の面々が指を鳴らしながらテロリストたちを囲う、

テロリスト達が生徒に追われる、なんともテロリスト達が可哀想に思える景色だ。

 敷地内の至る所でテロリストたちの悲鳴が響く。

 しばらくして、ほとぼりが冷め警察と護送車が来てテロリストたちを運んでいった。一応妹たちの安否確認のため、敷地内をを歩いていた。

「おっ!!そこの君ちょっと味見して〜」

 調理部の先輩が紙皿にのった唐揚げらしき食べ物を差し出してきた。

「美味しそう…これなに肉です?」

「ん?テロリスト。」

 聞かなきゃよかった……食べる気が一気に無くなった。

「遠慮しときます……」

 そそくさと其の場から逃げる途中、窓から燐と牡丹とリアの三人が見え中庭に向かった。

 三人のもとに行くと見た顔がいた

「五十嵐警部?」

 俺の声に反応して警部が手を上げて

「久しぶりですね」

「どうしてここに?」

「五十嵐警部は、一課の人なので今回のテロとは無縁のはずですが?」

「実は、戒斗くんを刺した犯人が特定できた。」

「本当ですか?」

「あゝ、犯人はSUTの暗殺部隊のブラックファブリックのメンバー濡羽だ。」

「ブラックファブリック……」

 俺を刺した刃物はどうやら濡羽という、メンバーが愛用するナイフと一致したらしいが逮捕に至れないという、理由としてもう濡羽はこの世を去っているらしい。

 先日濡羽と思われる人物が深山で死体となって発見されたらしい。


  

 

 

 

 

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