第17話 デート

爆弾を処理したあの日から、一切かの組織から手を出してこない。

 諦めたか、もしくは大きいことをする予兆か?

 とりあえず、眼の前の平和を楽しもうと牡丹とデートをすることにした。

 互いに初めてのデート、どこに行くべきか分からないが近くの映画館に行くことにした。が何を見るのがいいか。分かるわけもなく定番であるだろう。恋愛モノを見たが、映画の内容が恋愛フラグのオンパレードで展開の読めてしまう、何の捻りもない、結果の見える内容に二人でガックシと肩を落として、映画館を出た。

 そのまま帰るわけにも行かないので、カラオケに行った。

 カラオケでは、互いに好きな歌を歌い、時間を忘れ、さっき見た映画のダメ出しを互いに言い合い笑いながら、カラオケの特殊な空間のお陰で距離が少し縮まったと感じた。

 しかし、血のつながりが無い関係でも家族だ、何なら兄妹だ。付き合っていてもいいのだろうか?

 そもそも、訳アリの捨てられても良いような生まれだ。牡丹たちは違うだろうが……


『奴隷が!!口答えするな!!』

 鞭で叩かれ、ボロボロになるからだ。服もまともなものを与えられず、現代ではありえないようなまるで地獄を具現化したような施設で育った。


 そんな過去を話したらどんな反応をするのだろうか。

 驚くのか?それとも悲しむのか?

 というよりも話して何になる、牡丹と燐の過去は知っているが二人は俺の過去をしらない、気にもしてない、初めから居たのだから。

 そんなことを考えて居ると牡丹に顔を覗かれていた。

「戒斗?どうかしました?」

「何でもないよ」

 牡丹の方を見て、笑うがバックミラーに映る自分の笑顔は目が死んでいた。

「帰ろうか。」

 車のエンジンを点けて駐車場から出て行く。

 

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