第12話 心の傷

昨日の事もあり、牡丹は家に帰ってきてからずっと鬱状態になり何をやっても失敗に終わる。さらに、ぼーっとしていることが増え気づいたら泣いている時もあり、一度母親と精神科に掛かった。

 すると、極度のストレスによるうつ状態だと診断され心の休養が大事だと言われた。そこで、俺は気晴らしにと牡丹とデートすることにしたが、家から出たくないとのこと……かなり参っているらしい。

 牡丹の鬱を治すには休養が必要……仕方なく、ずっと傍に居ることにした。負担になってるかもしれないがどうもそばに居ないと俺が落ち着かない。

「にぎって……」

 牡丹が手を伸ばす。

「握って……」

 言われた通り牡丹の手を握る。すると、牡丹が俺の胸に額を当て哭く、俺は静かに牡丹を慰めるように、抱きしめ、背中をさすり落ち着かせる。

「怖かった……」

声を上げて、泣き荒ぶ牡丹。

「大丈夫ずっとそばに居るから」

 と声を掛けた。

「約束……」

 涙を拭い小指を突き出してきた。そして、指切りをする。

 絶対に許さないと、組織を憎みながら、牡丹を守ると、誓った。

 

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