第7話 退院して
入院期間は、検査入院を少し伸ばした位なもので、何週間か居たか余り覚えてない。なんせ、リハビリと取り調べの繰り返しだったので大した思い出なんてものは無い。
強いて言うなれば、空が入院期間の毒抜きにと、『
まぁ返っこない当然、九割方捨てた。残りの一割は、俺が処理してないのでわからない。
俺に渡した彼が悪い。何せそういう欲はとうの昔に消えてった。
そういえば、五十嵐警部が、容疑者がある程度絞られたと、聞いたが、〈俺の供述は参考になったのだろうか?〉と内心思っていると。良かったと、牡丹が胸をなでおろしていた。
ただ、一つだけ心残りがある。あの黒いのは一体………
退院して、通学を再開しようとしたら五十嵐警部に止められた。
「戒斗君は、一度狙われて、怪我で済んだが、外で活動していれば、怪我では済まない事に成りかねないからだ。」
とのこと。心配症なのか?と思っていたら顔に出てたのか。牡丹に、
「当たり前です。」
と釘を刺された。とりあえず。犯人が捕まるまでは配信授業か……
それからしばらく、配信授業に慣れてきた頃ふと色を聞かれた
魔力のことなのか……まぁ道理は通るか……見られていたのもきっと魔力を測るためなのか?でも、なぜ魔力の色を?
しかし、本当に魔力のことなのか?何か見落としている気がするが……まぁ良いか。考えるのは警察の人がやってくれる……
――翌日――
地下でリハビリの為軽いトレーニングをしていた。
すると、ミライから質問を受けた。
「マスター、人は刺された時どうなるのですか?」
AI独特のイントネーションで聞かれたがためか冷や汗が出た。まぁ専門的な事は要らないと思い、ラーニングはしていなかった。当然の質問か……余り話したくは無いが仕方ないそのまま言うか…
「まず刺された所から痛みが来るその後は…すまん記憶出来てない。」
まぁ嘘だが、痛過ぎて辛いのだが、はっきりと言えば内容がかなりグロテスクに成ってしまうので言わない。
「わかりました。」
ミライが少し不満そうに言う。
「戒斗は余り思い出したくないのだから…ね?」
牡丹がミライの映るディスプレイを見ながら、軽く注意した。
「そうですよね。」
牡丹の言葉にミライは顔に反省の色を浮かべた。ミライに申し訳ないとは思うが牡丹の言う通りだ。
牡丹とミライの会話を苦笑いで聞きながらレーニングを切り上げ、汗を拭いた。にしても、縫って直したからか。少し傷が目立つ。
鏡できずを見ていたら鏡越しで牡丹と目が合う。向き直して牡丹に
「どした?」
「いい体だなっ…て……(モゴモゴ)」
顔を赤くして恥ずかしそうに、小声で何か言っていた、あまり聞き取れなかった、まぁ、体つきを褒めてくれたのは、分かった。
以前は半分オタクに近い生活を送って居たので、体重は3桁近くだったが学院へ入学を期にダイエットをして成功して今の体型がある。
学院で知り合った友人は、そのことを知らない。
まぁ厨二病が拗れているのは知っているのでオタ活見たいな生活だったのはなんとなくわかっているだろう。
ただ空がそれを言うので信憑性自体薄いと言うのはある。俺は否定はしていないので、何となく気づく人は気づくだろう。シャワーを浴びながらそんなことを思い出した。シャワーを出て来るとミライがメッセージボックスを持って画面に現れた。
「ご飯だそうです。」
「そんな時間か…」
髪を乾かしながら、壁掛け時計を見ると18時だった。トレーニングルームから出て、ダイニングで食事を摂ったが少し食欲が湧かない。
なにも食べ無い訳にはいかないので少しだけ食べて、食事を終え、自室に戻りベッドに横たわり、習慣だったWEBNEWSを見ることなく眠った。
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