♥.1
第1話
光の無い暗闇。
どこからともなく音を立てたスポットライトが、円卓を囲んだ四人の内一人の男のストレートティーを照らす。
「皆さんこんばんは…鈴木です。これより、アイドルグループ【LALOVELa】による【LALOVELa】の為の【LALOVELa】、『LALOVELa会議!~第509回~』を始めたいと思いますー」
「待ってごめん、ひと台詞にひとボケにしよ?ツッコミが…LALOVELaしか聞こえないよとか509回もやってないよとか」
「ハァ!?なっ何だこの会場いつの間に!?」
「え!?ここどこォーっ」
「楽屋にいたはずなのに!」
「楽屋にいたはずなのに!」
「な!」
「ね!」
「ご静粛にご静粛に。書記のブンちゃん――は本日欠席か。あのムッツリスケベめ。どうせどこかでムッツリなことでもしているのだろう仕方がないな。なつを。書記を頼む」
洋画の中の外国人かサッカー選手以外がかけているのを見ないようなエッジの利いたサングラスをかけ、薄ら筋肉のついた肩からヒョウ柄の毛皮とスポットライトを背負った男が手を組んで喋った。
「ブンちゃん相変わらず酷い言われようだね…って何で僕。仕方がないとか言われて代用されるの嫌なんですけど」
『なつを』。そう呼ばれた桃色頭がふわふわと揺れて反論するのをその隣の金髪メガネが状況を把握しつつ呆れ顔で見守る。
いつの間にか『なつを』の前にはメモ帳と鉛筆が用意されていた。
「鉛筆だ」
「鉛筆なのか…」
「しゅり僕、小学校以来だ鉛筆」
「マジ?」
「うん。うわー懐かし。書記やりまーす」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます