第10話

ふらふらとコンビニに立ち入ると、更に冷えた空気に身震いした。寒いな。



迷うことなく一直線にお酒のコーナーへ進み、働かない頭でいつもだったら絶対選ばない度数の強いお酒を手に取った。


500(ml)3缶くらい買っておくか…と、普段アルコール度数3%程度の350mlさんごー缶一本で真っ赤になるひよっこが人知れず自暴自棄だ。



3缶抱えた所で持ちづらく、何より冷たくて必要になったカゴを探す、と。



積まれたカゴ越しに、すぐ近くで店員さんと話し込む大学生くらいの男の子の姿が在った。



染めているのかいないのか、夜空みたいな深い髪色。


少し目に掛かるくらいの前髪が横顔を隠している。



コンビニで店員さんと話し込むとは一体…と何だか気になりつつもカゴを手に取った。



彼らが見ているのはティーコーナーだ。



「んー…。てことはこのカフェイン入り…?のものだとやっぱり逆に目が冴えちゃうってことかな…?」


「さぁ?そーじゃないっすかね〜。ちょっとボク専門家じゃないし分かりかねますね」



えっ…?何か店員失礼だな…。

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