第26話

問うてみるとらいおんさんは立ち止まり、腰に在った腕を膝裏に回した。

かと思いきや、上体を少し前に倒してあたしを仰け反らせ、落ちそうになる背中を大きな手で支え。


まるで、赤ちゃんにそうするみたいに。




「おまえはちいさいし、よく喋るのか。」



「す、すみません。」


「?別に謝れとは言ってないが。」




今度は抱っこの状態で、目を合わせる。




ふわふわが、目のまえに。



「ふわふわ、」




ついそう囁いて、指先を伸ばしてしまった。





らいおんさんは、それはそれはあからさまに、酷く怯えて怖がるような表情を魅せ。




身を引きそれを嫌がって避けたのだ。

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