屋根をみあげるふたり

第24話

軽々と持ち上げて、すたすた、何処かの部屋へ向かっている。

因みにあたしはやせっぽっちでもちっこいわけでもない、のだ、けれども。



やすやすと肩に乗っけられて、改めて雇い主の大きさを実感する。




ほんと、大きいなあ……。




だってほら、あたしが伸ばした手と床がこんなにも遠い。



あとあと、肋骨が雇い主さん――らいおんさんの肩の骨に当たって痛い。


いたた。



痛いで思い出した、と、伸ばしていた手の甲に視線を向ける。じっ……と見つめてみると、驚いたことに、傷が。



ない!



無くなってる!


何で!?




「き、ききずが……!」



彼の肩上で驚きにじたばたと身体を揺らすと、腰に回されていた腕の力が強まって、庇ってくれていることが伝わってきた。




「き、傷がなくなってるんだけどどういうことな、の。これは!」

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