第12話

待、まって。整理しよう。




確か、靴は脱いだ。


あたしのすぐ後ろで。うん、記憶にあるぞ。



多分振り返ることができたとすれば今も其処にあるはず。



きったない運動靴ですが。緑のてっきとうな。







それで。




それ、で?





玄関入ってまず右手に曲がって――横に長いお屋敷だったから右手にしか廊下ないから――其処から十歩くらい歩いたかもしれない。


ん、何か『から』って言い過ぎたな。よし冷静戻ってこいや。

よしよし。



あたし、自分のびくびくについて考えていて。





それで。




歩き始めた廊下の左手側に、すぐ部屋があったんだよね。


木製の濃茶色のドアは開いていたんだよね。




で、其処から座ったライオンがこっち見てるのは何で?



ちょ、何で?

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