21回目の贈りもの

第76話

高校二年の、冬。





「ふ、わ……。凄いひと」





二月の或る日の放課後。他校のグラウンド、フェンスの外には現実的かつなかなかの数の女子が渦巻いていた。



隣を歩いている育美が足取りの速さを徐々に緩めていく私に伴って、最終的に立ち止まり、




「皆見てる、けどなんじゃこりゃ」




言葉を発す。私はじっと目先のグラウンドに在る、野球をやる部活中のその姿を見つめていた。




「岬?」



少し、どうする、の意味を込めた声が届く。




「うん」



「渡す?」





核心。

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