請い詠(こいうた)

日浦海里

中六月(なかむつき) 逢うも逢わぬも 狂おしく 秋風が寄せ 月は隠れ

「愛唱」


中六月なかむつき 逢うも逢わぬも 狂おしく

      秋風が寄せ 月は隠れて



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最後にお逢いしてから六月が経ちました

共にいてもいなくても

この胸には狂おしいほどの熱が渦巻いておりました

けれど夏が過ぎ、秋風が吹くようになりますと

見上げていた月が隠れてしまったかのように

この想いもまた

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あなたさまとは睦つ月の間

合うも合わぬも分からぬままに

気持ちだけはかき乱されて

しかし秋風が吹き抜けるように

この心にぽっかりと穴が空くと

気持ちを狂わせていた月は隠れて

ようやく

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