3.結局暴力が許される状況は二つある。
警察と信者たちの押し問答が繰り広げられていた。
「ほら離れて!!!!離れてえええええ!!!!!危ないからああああああ!!!!皆んな離れてえええええええええ!!!!!!!!!!」
「っっっっつつつつせええええええええええええええええええあああああああああああ!!!!!俺らの首相のぉあ、じぃぃぃいいいいやああああまあああああああ、すぅぅぅんんんでぇねえええええええおおおおおおおおおお!!!!!!」
「堀田先ぱああああい!!!!!!!こいつらマジでヤバあい!!!!!目がイっちゃってるってええええええ!!!!!!」
「なんとか食い止めろおおおおおお!!!!駅に入らせてはならあああああああん!!!!!あ、あれ???た、田中???!!!お前、田中じゃないかあ???!!!んなぁあああああにやってんだぁ、そんっなとっこでええええ!!!!」
「ぐっがああああああああああああ!!!!ああああああ???ほったぁ、ほったかぁああああ???ふぅおっとぁ、どぅぅぅぁぁぁあぅぅぅよぉぉぉぬぅぅぅぁぁぁあああああああーーーーーーあああああ???!!!!おめぇもぁ、いっっっこおぉぜぇ、んなぁ、んんんんこぉぉぉぉぉおおおおおおおおっっっっちぃぃぃいいいいいいぐぅぅぅううううわああああああえええええええええ、よぅおうおうおうおうおううおうおおおおおおおあああああああああ!!!!!!!!!」
「堀田先ぱあああい!!!!!!田中先輩が、田中先輩があああああ???!!!」
「ダメだぁこいつぁーーーああああもおおおおお!!!”あっち側”に、行ってしまったあああああ!!!!!もうこれはぁ、田中であってぇ田中では、ぬぅうううあああああああいいいいいいい!!!!!やれぇぇぇ!!!やってしまえええええええあああああああ!!!!!」
「そんなあああああああ!!!!!先っぱあああああああああいいいいいいい!!!!!!」
ワアアアアアアアアア
ギャアアアアアアアア
「アニキィ、いーい感じに民衆が沸いてきたっすねぇ、こんりゃあマジもんで、そーりーでえじんの要求、通るんじゃあないっすかあ???」
「うむ、だが俺は慎重な男!!!常に手を打っておくナイスガイ!!!ブースターの用意を急げえええええ!!!!」
「おおおおおーーーーーっっっすぅうううううああああああ!!!!!野郎どもぉ、取り付け急ぎぃぃぃぇぇぇええええええええ!!!!!」
ガチャ、ガチン、ガチン
男たちが電車の車輪に機械装置を取り付けていく。
「おぉぉぉおおおおーーーー???!!!ダサい首相ぉ、そいつぁなんなんだぁぁぁああああああ???!!!」
「だ、い、な、ご、ん、だ、い、ご、は、ん!!!!こいつぁあなあ、『使い切りブースターくん』だあああ!!!!鈍器☆砲帝で十二個入六十万で売ってた代物よおおおおおお!!!!!スイッチを入れたが最後ぉ、この電車はマッハでぇ、十五時間んん、東京中の線路をぉ、駆け巡るぅ、推進力をぉ、得るうううううううう!!!!!って説明書に書いてあったああああああああああああ!!!!!!そして俺はこれをぉ、今日の夜八時にスイッチィィィイイイイオン!するううううううううああああああああ!!!!!!」
「ヒャッッッツツツツツツハッッッハッッッハアアアアアアアアア!!!!!!!そいつぁすんげぇぜぇぇぇええええええええ!!!!!!子供は乗せたまんまかあああああああああ????!!!!」
「おうともおぉぉぉぉぉ!!!!!子供たちには東京の景色を楽しんでもらいたい、からぁ、なああああああ!!!!!!!」
「いかすぜアニキィィィイイイイイイ!!!!!そんな暴走列車んじゃあぁ、子供たちが楽しめるわきゃあないのにいいいいいぃぃぃぃぃそこに思い至らなあいノータリンさがかああああわあああああああいいいいいいいぃぃぃいいいいいい!!!!!」
「お、おお???!!!それによぉ、午後八時から十五時間ったぁ、次の日の昼ごろ、十一時まで走りっぱなしっつーことになるじゃあねえかあ???」
「た、確かにぃ、それじゃあ明日の昼までぇ、東京中の電車があ動かねえじゃあねえんかあ???!!!」
「良く気付いたなぁ、そのとおーーーりぃ!!!!とっ、いうことはぁ???」
「はぁ?」
「はぁ???」
「明日は出勤できねえよ。今日はゆっくり寝られるな。」
ウィンク☆バッチコン
「「「「「「「FUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!!!!!!!明日休みだあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!よぉふぅぅぅうううくわぁぁぁああああしぃぃぃいいいいもぉぉぉおおおおおでっっっっっきぃいいいちゃぁああああああああうううううぅぅぅ、ずぅぅぅうううううええええええあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」」」」」」」
「待て待てお前らあああああ!!!!!電車通勤じゃねえやつは普段通りだろおおおおがああああああ!!!!!!騙されるなああああああああああ!!!!!!」
………
…………ぃぃぃぁ
ぁぁぁあああああああ
ああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!
ズッッッゴッッッズウウウウウウウウウウウウン!
「!!!???!!!あああああああ???!!!なんだなんだ、何の音だあああああああ????!!!!!」
「何っかあああ分っかんないっっっすううううけどぅおおおおおおお???!!!!なあああーーーーんかぁ、落っこちてえええ、っきぃまっ、しぃとぅあっ、ずうううえええええええええいいいい???!!!!」
どこからともなく落ちてきた謎の物体。電車の真ん中車両の屋根を突き破る。
「???!!!ああああっ!!!!車両がぺっっっしゃんこぉおおおおにぃぃぃいいいいいい????!!!!子供たちはぁ、ぶっじぃくわぁああああああああああ????!!!!」
「んんんでぇーーーじょぉーーーぶぅでさああああああ!!!!!後ろのお車両にいますからああああああ!!!!!怪我無っさそうっ、でっっっさああああああああああ!!!!!!」
「子供が無事だあああああああああああああ!!!!!!やったぞおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」
「「「「「「「うがおおおおおおおおおおあああああああ!!!!!!!!!!良がっだあああああああああおおおおおおおおおええええええああああああ!!!!!!!!!」」」」」」」
ギッ、ギギッ
ドアアアアアアアアン
車両のドアを蹴破り、降りてくる影が一つ、二つ、僅かに三つ。
「ふいーーーいっとおおおおおおおちゃっ、くううううううううう。おうおうおうおうおうおーーーーいおいおい、随分賑やかじゃあ、ねえのねえのぉ???やっぱあお祭りなり何なりをニュースで見たところでえ、現地の盛り上がりようってにゃああ、なっかなかあ、伝わらねえよなあああ???」
「げっほげっほ、ぅげぇっほっほっほっ!!!!もおう、ホンッッッ~~~~トォ~~~~にぃ、しんじゃあったとぉ、思ったぁぁぁああああああ!!!!今回はもうダメかとぉ、思ったあああああああああああ!!!!!なあああああんんでぇ、わっざわっざあああああ、高速道路ぉの上からぁ、ジャンプするぅんですかあああああああ????!!!!!真っ直ぐ来ればあああ、良かったのにいいいいいいいい????!!!!!その必要ぉ、あっっっりましたああああああああ????!!!!」
「ヒナぁ、そんの無駄さが華になるのよお。合理性ばっかし求めちゃあ、頭がカチンコチンコの鉄筋コンクリートになったったうぜえええ???」
「ヒナさん、生命力はサカ並みだね。それにしても、車両潰しちゃってさあ、子供たちがいたらどうしたの?サイトの条件見た?『子供たち全員生存』。脳無しにもほどが無い?」
「まっっっっっったくぅ、俺ちゃんのやることなすことにいちいっちいケチつけるやつだぜい。いなかったからあいいいーーーーだろおおおがあああ、結果オーライってえやつよお。」
「それ悪かった結果が状況が変わって良い結果に見えることだから。サカは違うから。最初から悪い結果迎えに行ってるから。」
「ごちゃごちゃごーちゃごちゃあ、うぅっっっってえええええええええええええええええ!!!!!!!けぇっきょぉくはあ、あいつらやっちまえばあ、いぃぃぃっしぃょぉおおおおおおおだろおおおおおがああああああああ!!!!!!!!!!」
「アニキィ、あいつら何なんですぅ???」
「分からぁん!!!だが俺より目立ちやがってえ、許せえええええええんん!!!!お前らあああああああああ!!!!!!」
「「「「へえええええええい!!!!」」」」
ザッザッザッザッ
子分含め、思い思いの武器を持って集まってくる。大体銃。大納言だけ斬馬刀。
「「「「「「「何だああああ???!!!!あいつらあああああああああ????!!!!!大納言首相おおおおおおお!!!!!!!っっっやあっっっちゃあっっっっってえ、くだっっっさあああああああああああああああああああいいいいいい!!!!!」」」」」」」
「くそっ何だ何だ今度はなんだああああああああああ????!!!!!おいお前らああああああ!!!!こいつらを刺激するんじゃあ、なあああああああああいいいぃぃぃ!!!!!!!!」
「警察の人がなんか言ってる気がしますけど。」
「うるさくってよく聞こえないね。ほっとこ。」
「ところで目出し帽って意味あるんですかね?見た目には大分ひょうきんですけど。」
「実際目と口以外は見えないし、効果はあるんじゃない?ささ、僕らは隠れてよ。」
サカに斬馬刀を突き付ける。
「何だお前らはあ?何しにぃ、ここへ来たあ???」
「何だかんだと聞かなくてえも教えたらあ。あんなあ、おめえがそーりーになるまぁえにぃ、その首ぃ、ぽーんと飛ばしにきたんだぜえ。」
首にちょんちょんと手を当てて挑発する。
「「「「んだとてめえええええ!!!!!やれるもんんなぁらぁ、んんんやっっっっっってええええ、みやがrrrrrrrrrrrrrrrrrrrるるるるるるるるるるええええええええええええええええあああああああああ!!!!!」」」」
「待ぁてぃ!!!!下手に刺激するんじゃあなあああああい!!!!どんな危険物を持ってるのかもぉ、しらんのだぞおおおおおお!!!!!!」
「「「「はいいいいいい!!!!!すいませんでしたあああああああ!!!!!!さっすがアニキィイイイイイイ!!!!!どんなときでも冷静さを忘れないいいい!!!!!その姿勢にぃ、惚れ惚れしちゃうううううううううう!!!!!」」」」
「ピーピーピーピーピーピーうるっっっせえなあ、どいつもこいつもお。大層なお仲間持ってえ楽しいかよお?」
「あーああああもっっっちろん!!!!見ろお!!!!!たっっったあ一人でえ、俺たちと戦おうとしているがあ、俺はぁ、ちっっっぐわああああああああああああう!!!!!頼もしい仲間がいるぅ、それだけで人はぁ、強く、なれ、りゅううううううううう!!!!!!!!!!!!!!」
「「「「アニキィィィイイイイイイイイイ!!!!!大事なところで噛んだけどおおおおおおお!!!!!!一生ついていきましゅうううううううううううううう!!!!!!!」」」」
キッシッシッ
「仲間仲間仲間由紀恵ぇ、そおおおんなに求めるものかねえ。どんなときぃもぉ最後にゃぁ一人、自分で歩くしかねえのによお。周りがどおんな手を差し出そうともぉ、ぜんぶぜええええんぶ払いのけてえ、眉間に皺寄せえいこらひいこら、這いつくばあってやっていくぅ、そおんな気概がなきゃなきゃなあ、仲間がいてえええもおしめえよお。だから、なあ?」
ビッ
バットの先を向ける。
「おんめえええらがあ、どおおおおんだけ一人であんよできてんのかあ、おいちゃあんに見せてえ、あ、おくんなましぃ???ほれぇ、よーちよち、よーちよちぃ♡」
「「「「「んんんんんどぅぅぅぁぁぁあああああああああああああああ????!!!!!!っっっっっっぐううううううううるううううううううううあああああああああええええええええあああああああああああ!!!!!!!ぶぶぶぶりっ、ぶううううううっっっっっくぅぅぅうううううううろおおおおああああああああああすぃぃぃいいいいいいいとぅぅぅぅうううううああああああああああっっっるうううううあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」」」」」
ガキッ
一人が銃の引き金に指をかけた、とき。
シュラッ
ボグゥ
「あれ?引き金が、ひけね………………ぁぁぁぁああああああああ???!!!!んなああああああああああんんんじゃああああああああああああこりゃああああああああああああああ!!!!!!!手ぇ、おっれっ、俺えの、手ぇがああああああああああああああ????!!!!!んにゃああああああああああああああああああああいいいいいいい!!!!!!??????」
バット一閃。銃ごと両手を吹き飛ばした。
「「「「うおおおおおええええええああああああああああああああああああああ!!!!!」」」」
ギュッ
ギュギュギュギュギュギュギュ
「んなあに熱ぅい視線を注ぐなよお、興奮しっちまう、ずえええええええええああああああ!!!!!」
シュラアッ
バッガアアアアアアアアアアアアアアアン
地面を撲殺。風圧と衝撃波が飛ぶ。
「「「「うおおああああああ!!!!!?????」」」」
「「「「「「うおおおおおおお!!!!????何だ何だあああああああああ????!!!!!」
「うわっ。」
「きぃぃぃいいいいいああああああ!!!!髪の毛があああああああ!!!!!」
ダッダダダダダダダダダダダダダダ
瓦礫の上を駆ける。
シュラッ
「あびゃっ?」
シュラァッ
「いひっ?」
瞬く間に二人肉片に。
「おいおいおい、あんよを見る暇もねえなああああああ????!!!!!」
「っっっそおおおおおおおがあああああああああああああああああっっっっ!!!!!!!!だ、い、な、ご、んん~~~~~~~~~ス、ラアアアアアアアアアアアアアッッッッッッシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!」
ブゥゥゥウウウウン
スッ
片足を上げ、
トッ
刃の側面に乗せ、
グッ
そのまま下ろす。
ズドオオオン
「ゥゥゥぇぇぇえええ、ええ???」
「いやね?俺ちゃんも考えたよ?技名叫んだ方がかっこいいかもしれないから?でもぉ、話のテンポ?流れ?というかあ、まあーあ出すにしてもお、もっと後、モブじゃない強キャラ相手に初めて出す方があ?映えるかもしんないしい?難しいなあ???」
「何言ってんですかね社長。」
「気にしない方がいいと思う。」
「んんんぬうううううううううあああああああ!!!!!!!だぁ、いぃ、なぁ、ごぉ~~~~~~んん、パアアアアアアアアアアアアアアアアンッ、チイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!」
ゴオオオオッ
ト、ト
拳を両の人差し指で挟み、
クルッ
ザシュッ
そのまま一回転、同時に足払い。
「イイイィィィィイイイイイイ?????」
大納言が宙を舞う。
「まあまあ、のっちのち考えれえば、よっかろうお、もおんっ!!!!!!」
シュラッ
バッッッキャアアアアアアアアアアアアン
「っっっがあああああああああっっっああああああああああ????!!!!足ぃ、いいいいい???俺っ、のっ、あっ、しいいいいいいいいいいいいいい?????!!!!!!」
大納言の腰から下が無くなった。
「ひっ、ひぃぃぃいいいいい、いいいいいいい、バッッッケェ、バケモンだああああああああああああ。」
一人がすごすごと、駅から出ようとする。
「おおっと、逃がすかあよっ、と。」
シュッ
「おぶっ?」
バキャアアアアアアアアン
投げたバットが腹を貫き、壁に突き刺さった。
「おぉっっっのぉれぇぇぇええええええええぇぇぇ、大納言をぉ、日本大賢者党をぉ、舐っっっめるぅなあああああああああああああああああああ!!!!!!」
ピンピンピンピンッ
「くらえええええええええええええええいいい!!!!」
バラララアッ
「おお、
「でもあれ、遠過ぎません?」
「うん、信者に当たっちゃうよ。」
「ったくぅ、世話の焼ける坊ちゃんだぜい。」
タッタッ、タン
シュシュシュシュッ
空中で手榴弾を全回収。
「あ、あ、あ………???」
シュンッ
「玩具はちゃあんと、しまっとおかないとねい。それに、」
ガポポポポッ
「あがっ、あががががっ???」
空いた口に放り込む。
「
ガッチンッ
ドッッッゴオオオオオオオオオオオオン
顎に蹴りを入れ、爆破。
大納言首相の夢、頭ごと散る。
「あーあーあー、頭飛ばすの癖になってらあ。今回は映像で証明になるからいいけどさあ。」
「いやっほおおおおおお!!!!!社長おおおおお!!!!!いっちおくぅ、一億ですうううううう!!!!!ボーナスゥ、アップゥゥゥウウウウウウ!!!!!!!」
「おーうおーう周りの皆ちゃあああん!!!そーりーちゃあああああんは逝ったぞおおおおおおおお!!!!!!おめえーるぁあも、後追いしたらどぅおーーーだああああああ????!!!!!」
「な、な、な……………」
「「「「「「「んなあああああああああああにいいいいいいいいいいいゆぅぅぅうううううああああああああああああっっっっっっっっってえええええええええええええええんんんどぅぅぅうううううううああああああああああああてえええええええええええええええんんんむぇぇぇえええええええええああああああああああああおおおおおおおおおおおおおお??????!!!!!!!」」」」」」」
「俺たちゃあなあ!!!!首相なんてえ誰でもよかったんだよおおおおお!!!!!」
「そうだあああああ!!!!ただ面白れえやつがなりゃあ、どっっっおおおおおおでもお、いいいいいんんんじゃあああああああ!!!!!」
「せっかくの玩具を壊しやがってええええええええええ!!!!!あ、あ、あああ、あたい、許せねええええよおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
「わあー、この人たち、ご飯君を玩具ですってよぉ。さっきまでさんざん持ち上げたのに、ひどいですねぇ。」
「こんれがあ『仲間』のしょーうたいよお。成功したら『味方』ぁ、失敗したら『他人』ん、せちがれえええぜえ。」
「もう知らねええええええええ!!!!!!ぜんっっっっっっぶううううううう、ぶちこわせええええええええええええええええいいいいいいい!!!!!!!!」
「「「「「「「おおおおおおええええええええええあああああああああああああああああ!!!!!!!」」」」」」」
「先ぱあああああああい!!!!こいつらあ、大納言が死んだのにい、元気になってますううう!!!!!むしろ、怒ってますうううううううう????!!!!」
「ちっっっくしょおおおおおおおお!!!!!もう大納言とかカンケーねえ、ただ暴れたいだけのバーサーカーになってやがらああああああ!!!!おらあああああああ!!!!!駅に入るんじゃあああああねええええええええ!!!!!!」
「うんしょっ、とお。やいやいやいーーーのお、もう終わりかあ。あっけねえぜえ。」
壁に刺さったバットを抜く。
「まぁ楽に一億稼げてよかったじゃない。さ、帰ろうよ。」
「そーだな、腹も減ったしい、焼肉で満たしてえ気分だぜい。」
「毎回思うけど、人間のぐちゃぐちゃ死体作っておいて、よくそんな食欲出るよね。羨ましいよ。」
「俺ちゃあんは今も成長期なあのおよーう。これから身長もチン長も伸びてえ、たっくまちい男になるんだぜえ。ワイルドだろお?」
「げげっ、これ以上暴れん坊にならないでよ。本格的についていけないよ。」
「おおおおおい!!!ヒンナア!!!けえーーーるーーーぞおーーーーー!!!良い子は日が出てるうちにい、かぁーーーえりぃーーーまぁーーーしょおーーーー!!!!」
ヒナは座り込み、死体の指を折って何やら数えている。
ポキ、パキ、ゴキ、ボキ
「ひぃ、ふぅ、みぃ、ううん、これで四。間違い無いかぁ。」
「なあにしてんだあよお。けえるぞお。ここあーもお、鼓膜に悪くてかなわあん。」
「周りに人も多いしね。早く逃げよう。片付けは今回いいから、後で僕がなんとかするよ。」
「社長ぉ、この人たちってぇ、五人でしたよねぇ?ご飯君入れて。」
「あん?」
「そうだよ。」
「ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ、四人しか倒せてなくないですかぁ?あと一人、どっかいってません?」
「あ?」
「へ?」
ずり、ずり
電車の中、前方車両にて。
壁に身体を預けながら歩く影が。その影に、両手は無い。
はぁー、はぁー
「くっっっそがぁ、あいつ、マジで何なんだよぉ、アニキィを、殺りやがってぇ…」
ぐすっ
目出し帽が涙で濡れる。
「アニキィ、ぢぐじょお、アニギが総理大臣になっでえ、俺が副総理にぃ、なりだがっだあああ…!」
「おおおーーーーい!!!生き残りの坊やああーーーーーい!!!おいちゃんとお、
「生き残りさああああん!!!早く出てきてくださああああい!!!!私ももう、帰りたいんですううううううう!!!!残業も嫌ですからあああああああ!!!!!ワークライフバランスゥゥゥ、大事いいいいいい!!!!!」
はぁ、はぁ
「だぁれが出ていくかよ、間抜けめぇ。しかし、このままだと、逃げ場もないぃ…そこで、だ!」
バアン
電車の運転席、馬鹿デカいボタンが一つ。
「これを起動させて、とにかくここから逃げるぅ。十五時間走りっぱなしだし、爆発の危険もなくはない。が、ここにいるよりは、ましだぁ…」
バンバン
ボタンを押そうとするが、腕が届いてない。押す手が無い。
「くっそ………!見ててくれぇ、アニキィ、日本大賢者党はぁ、永久にぃ、不めっ」
「見ぃぃぃいいいいいいいっっっっっけええええええええええええええええええええ!!!!!!!」
シュラッ
ガッシャアアアアアアアアアアアン
ポチッ
「つぅ?」
日本大賢者党、全滅。
「ふいいーーーーーいぃ、これで最後だなあ。」
「社長ぉ、お疲れ様ですぅ!!!」
「変な音しなかった?したよね?」
「先ぱあああああいいいい!!!」
「もおおお、保たあああん!!!!!ダッッッ、ダメッッッッ、どうああああああああああ!!!!!!」
ドッシャアアアアアアアアアア
とうとう警察のバリケードが破られた。駅に人が流れ込んでくる。
「うううううおおおおおおおおおおおお!!!!記念にあの目出し帽、もーーーーーーらお!!!!剥ぎ取れえええええええ!!!!!」
「俺は片隅で震えてるぅ、子供たちをぉ、ヨシヨシするぅ、するんだおおおおおおおおおおおおお!!!!!べーーーしょべしょべしょべしょおおおおおおおおお!!!!!」
「ぶえっっっくしょーーーーーい!!!はっくしょーーーーーーい!!!!」
ガガッガガガガガガガガガ
異音、電車から異音。車体が揺れる。
ボッ、ボッボッボッボボボボボボボボ
車輪に火がつき、
ドッッッッッッッッギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン
ボチュボチュボチュボッチュン
「ごおっ?」
「まあっ?」
「しおっ?」
電車が猛烈な推進力を得て、周りの野次馬を轢き飛ばした。
「うおおおおお???!!電車が、電車があ、暴走してえ、走って行っちまいやがったあああああああああああああ????!!!!」
「明日、休みになるかなぁ?」
ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
「おいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!なああああああにタアアアアアアボ吹かしてえええんんんだああああああああゴッッッルアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
「そうですよおおおおおおおおおおお!!!!帰れなくなったじゃないですかあああああああ!!!!!!!!」
亡骸の胸倉をがんがんを掴む。
「いや押したのサカだからああああああああああ!!!!ぜぇったい、ずええええええええっっっったああああいいいい、おんまええええええええええ!!!!!そんのバァットォの、先でえええええええええええ!!!!!なああああにが『ポチッ』だよおおおおおお!!!!どおおおーーーーーーーすんだよおおお、これええええええええ!!!!」
「っっっっっじゃああああっっっっっかましゃああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!過ぎたことを掘り返すんじゃああああねえええええええええええええええあああああああああああああああああああああ!!!!!」
ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
電車は勢い止まらず線路を駆けて行く。
ある駅にて。
「ウエエエエイw俺、線路の上に乗っちゃうしぃwここでビールも飲んじゃうしぃwマジ卍www」
「ちょ、おまwww俺ら高校生なのにwヤバ過ぎ卍wwwトゥッイィットゥーにテンアゲしとこwwwてかあれ、揺れてね?wマジ揺れてね?w地震キタコレw」
ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
「ウェィw」
高校生一人がミンチになる。
「ちょwおまwマジ衝撃映像www万バズ間違いなしwww」
さらなる駅にて。
「そこの痴漢止まりなさあああああい!!!!線路の上を走るんじゃあなあああああい!!!!!」
「止まるかよおおおおおおおおおおおお!!!!!!たかが半ケツ触ったくれえええでガタガタ、ガッタガタ騒ぎやがってえええええええええええ!!!!!そんなんで人生ぇ、終わってたまるかよおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
「おぉっ?」
「えぇっ?」
終わった。ついでに、駅員のも。
「いい加減飽きてきたな電車もお。もう一生分乗ったぜい。降りるかあ。」
真ん中の車両に来た。ドアと天井が無くなり風が気持ちいい。バイクが鎮座している。
「私も降りたいです社長ぉ。肩に乗せて降ろしてくださぁい。」
「やなこったあ。なあんぜに戸愚呂スタイルでやってやんなきゃいけねえんだあよ。サイドカアに乗りゃあいいだろがい。」
「もう壊れちゃいましたよぉ!私の乗るとこ、もう無いんですよお!!!」
「だったらどこかしらにつかまれよお。さあーさ、行くぜい。」
バイクにまたがろうとする。
「待って待って!電車、何とかしないと!子供たち、助けないと!!!」
「ああーん?明日になりゃあ止まるんだろお?だったらほっとけばあいいだらあがあ。」
「ダメだよ!いつ脱線して横転するか分からないし、それに鈍器☆砲帝って安いけど品質クソだから、いつブースターが爆発して木っ端微塵になるか、分かんないよ!」
「えええぇぇぇ!!!一億円、木っ端微塵は嫌ですううううう!!!社長ぉ、なんとかしてくださああああい!!!!」
「えええぇぇぇーーーーぇぇぇええええ???俺ちゃんがあ?これ以上お?働くっていうのおおおおお???働き方改革はどうしたんよお、もおおおおおおおお!!!!!!」
バタバタバタバタバタバタバタ
ガラッ
奥の車両から誰かが来た。
「すみません!今、どうなってるんですか?!僕たち、助かるんですか?!」
小学生たち、十人がやってきた。見た目に十歳ほど。
「うわぁ!ここ天井もドアも無いよ!寒いぃぃぃぃ!怖いぃぃぃ!!!」
「助けてぇぇぇ!!!ママァ、パパァァァ!!!」
「バイクあるバイク!かっこいい!でも家の車の方が大きいしかっこいい!十台あるんだ!家に車!」
「ドローン飛んでるドローン!でも家のヘリコプターの方が百倍おっきい!ざまあみろ!」
「どおーもガキは不得手でよお、なあーーーに考えてるか、分っっっからねえんだよなあ。」
「社長と同レベルですね。君たちぃ、ここは危ないからぁ、後ろにいってよぉねぇ。」
「あ?それは俺ちゃあんがガキレベルってことか?それともこいつらが俺ちゃあんの崇高さに追いついてるのを見出したのかあ?どっちだあ?」
「お姉さん、警察の人ですか?僕たち、どうしたらいいんですか?」
「すごい、小学生なのにしっかりしてるぅ!落ち着いてるぅ!ええとね、警察じゃないけど、大丈夫!社長が何とかしてくれるから!さあ、私たち非力な凡人は後ろに行ってようねぇー。」
「おい、どっちだあ?どっちなんだあよ?」
「もういいから!サカ、運転席に行こう!止める術探すよ!」
ズガガガガガガガガガガガガガガガ
「運転席ったあこうもうるせえのかい。すっげえ揺れてるしい。案外居心地悪いんだなあああ。車掌ちゃあんいつもご苦労ちゃあん。にしてもお、まあっーーーたくぅ、ぬぅああああんで俺ちゃあああんがあ、あんっなガキどものたあめえにい、面倒なことしなにゃあならんのだろうなああああ????」
「自分のせいだってミクロ単位も思わないの、逆に尊敬できるよ。何とか調べてみるから、待ってて。」
ガガガガガガガガガガガガガガガ
「ソートォ、何か見つかったかあ。」
「あったよ!進路切り替えバー!あと十秒もすれば線路の分岐があるけど、そこを右に行けばずっと平坦で真っ直ぐな道になる!少なくとも脱線のリスクは減る!けど左に行っちゃうと、急カーブだらけの住宅オフィス飲食店飲み屋ドラッグストアパチンコキャバクラガールズバーコンカフェ風俗何でもござれの繁華街だから、左には絶対、ぜえったい行かないでね!」
ガガガガガガガガガガガガガガガ
「ええ???なんてえ???」
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
「何で都合よく聞こえなくなるんだよぉ!!!右!これを右!僕のアームじゃパワー足りないから、右にやって!左にはやらないで!!!」
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
「あんだあ???これかあ?左、右ぃ?」
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
「だぁかぁらぁ、左ぃいいい!!!じゃない、右ぃいいいいいいい!!!」
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
「左右っていってもお、俺から見てなのか、それとも電車を正面で見た方かによっても違うしい。」
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
「だから右いいいい!!!!こっちから見て右いいいいい!!!!!電車から見ると左いいいいい!!!!」
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
「どぅぅぅぁぁぁかああああらあああああああああどっっっっちぃぃぃだぁぁぁあああああああああああああああ!!!!!!!!!」
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
「あああああああもおおおおおお!!!!!お箸持つほおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
「だったらああああ!!!!!こっっっちいいいいいいだあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
ガッッッッキンッ←
シュギャアアアアアアアアアアアアアアア←
「なああああああああんんんでぇぇぇえええええええだあああああああああああああああああああああああああああああああ?????!!!!!!みぃぃぃぎぃぃぃいいいいいっっっっってええええええええええええ!!!!言っっっとぅぅぅあああああああだあああああああろおおおおおおおおああああがああああああああああ!!!!!!!」
「うぅぅぅっっっっっしゃあああああああああああああああああああああああ!!!!!俺ちゃあんはああありょーーーう利きなのおおおおおおお!!!!その日の気分によってえぇぇどっちか変えるのおおおおお!!!!!可変性なのおおおお!!!俺ちゃんの人生はあああああああああああ!!!!!!!」
ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン
「もうダメェ!!!終わったぁぁぁあああああああ!!!!脱輪!!!横転!!!爆発!!!憤死ぃぃぃいいいいいい!!!!!」
「おめえは死なねえいだろおがい、引きこもりがあ。」
スタスタスタ
「ちょっとぉ、どこ行くんだよおおおおおおお!!!!責任取ってお前が一番先に死ねええええええ!!!!!サカアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
スタスタスタ
「お姉さん、大丈夫なの?止められるの?この電車。」
「大丈夫!だと思う!きっと社長が止めてくれるよ!多分!」
「語気だけじゃあ安心できないよぉ。」
ガラッ
「あ、社長?!どうしたんです?!さっさと止めてくださいよお!!!」
「無理。」
「は?」
「え?」
「俺ちゃあんが頭使って何とかすんのお、無理だったわあ。げぇーーーんかいかいかい、ちゃんちゃん。」
「無理って、え?無理、不可能って、ことぉ?え?だから、だったらぁ、どう、するん、です、かぁ???」
ガラッ
「降りるわあ。」
「は?え、えええぇぇぇ???O、RI、RU…???」
「そ、降りちゃうのよん。さいならさん。」
ピシャリ
ぼーぜん、じしつ。ヒナ、固まる。
「お、お姉さん?あの人、何だったんです?降りるとか、言って、ました、けど…?」
「…知ーらなあい♪私知ぃーらなあい…♪私はヒナ、雛、窓辺に沿う、小鳥…♪」
「ダメだ、この人イっちゃてるよ。」
「大人って怖いね。働き過ぎるとこうなっちゃうんだね。」
ドンドン、ドンドン
「あ、ドローンが来たよ!ドア開けてほしいみたい!お姉さん!」
「…ちゅん、ちゅんちゅん、ちゅんちゅんちゅん♪」
「ダメだ、大人は当てにならない!僕たちで開けよう!」
ガラッ
「ぁぁぁああああああああああ!!!!!!なんだよおおおおおおおおおおおおおああああ!!!!!!!!アイツッァァァアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
ハッ
「んん???私は今まで何をぉ???あ、ソートさあん!!!社長はぁ???どぉこ行ったんですかあ????」
「あんんんっっっっっっっのボゲエエエエエエエ!!!!!一人でぇ、バイコォ乗ってえ、逃げたんだよおおおおおおおお!!!!僕らあ、見捨てられたのおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!もう魔の急カーバァァァアアアアアアアアに入っちゃうううううううう!!!!!終わりだああああああああああああ!!!!!!!」
「え…止まらないの…?
「僕たち、死んじゃうの…?」
「お姉さん、助かるって言ったのに…?」
じわ、じわじわ
子供たちの目に涙が滲む。パンツとズボンも尿で滲む。
「嫌ぁぁぁだぁぁぁぁ!!!ママァァァ!!!!パパァァァ!!!!大人のぉ、嘘つきぃぃぃいいいいいいいいいいい!!!!!!」
「嘘じゃないもおおおおおおおおおおんんん!!!!私だってえええええ!!!!!助かるってええええええええ!!!!!!思っでだあのにいいいいいいい!!!!!!!!!だああああああどおおおおおぅぅぅおおおおおおおおおおお!!!!!」
プルルルル
「んあっっっ???!!!サカから電話だ???!!!」
「んえ………?しゃっちょ………?」
「もしもしこのやろおおおおおおがああああああああ!!!!今どこにぃ…………………えええ???!!!!いなああああにぃぃぃいいいい???!!!………がああああああああ!!!!分かったよ、もおおおおおおお!!!!!ヒナさあん!!!電話ぁ!!!!代わるよおおおお!!!!」
「おおーうヒナァ、ガキどんもおを一番後ろに連れてってえ、伏せさせとけえええ。」
ドローンからサカの声がする。
「え、え?!社長どこにいるんですかあ?!今何を、してるうんですかあああああ???!!!」
「なあに、結局よお、頼れるのは暴力だけったあーことにい気づいちまったからあよお。まあーーーたっくう、最初ぉーからこーすればあよかったぜい。」
ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
唸りながら暴走する電車。その先に、一人男が立っていた。
指示通り、泣き喚く小学生を一番後ろの車両で固める。
「いいかあ、この世にゃーなあ、暴力があ許される状況ったあ二つあらあーな。」
ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
電車はもう、男の目の前まで。
「一つはあ、愛する人を守るときぃ、」
「え………?私のこと………?えっ……でも私には、梶裕貴が………」
トクン
胸の奥がほんのり熱くなる。
「ときめいてるの?この状況で?思い出して?この状況、ぜぇーーーんぶあいつのせいなんだよ?」
「そしてもう一つはあああああ、」
ギュッ
ギュギュギュギュギュギュギュ
「愛する人があリボ払いをお借金だってえ思ってえ、ねえ、とき、だっっっあああああああああああああああああああああああああああああらららあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
「もうちょっとおおおお考えさせてくださあああああああああああああああああああああああああああああああああいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!」
「おめえええええらあああああああいい加減にいいいいいいいしろおおおおおおおおあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
ズッッッジャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!
バットを線路と電車の間に突き立てた!
ギャリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ
火花が爆ぜる。
バット越しに電車を押し返す。
「っっっふんぬぅぅぅううううううううううううあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
後ろの車両にも、とんでもない衝撃が伝わる。
「きゃああああああああああああああああ!!!!!!!しぬぅぅううううううううううう!!!!」
「大丈夫ぅううううう!!!!今度こそ大丈夫だからあああああああああああああ!!!!!!!」
「信用できなあああああああああああああああい!!!!!」
社長、お願い…!
リリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ
どんどんバットが削れて短くなっていく。
「くっっっそがあああああああああああああああああああああ!!!!!!!いっっっらねえええええええええよおおおおおおおおおおおお!!!!!こんなもおん!!!!!!!!!!!!!」
バットをポイ捨て。
ドォッドォッギィィィイイイイイイイイイイイイイイインンング!
両手を突き刺して、踏ん張る!
「ぬぅぅぅうううううううううええええええええええええええええああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
ブッッッチィィィイイイイイ
こめかみの血管が切れた。
目から、鼻から、血が溢れてくる。
腕もかかとも、削れて血だらけ。
「あああああああああああ!!!!!!!」
「社長おおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」
「ファァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアイイイイトオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!いいいいぃぃぃぃいいいいいいいっっっっっぷぅぅぅうううううううああああああああああああああああああああああああああああああああああああああつああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
リリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ
リリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ
リリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ
リリリリリリリリリリリリ
リリリリリリ
リリ…リ…
プッッッッッッッッシュゥゥゥウウウウウウウウウウウウウ
「止まっ…たぁ…?止まった…?」
「止まってる、うん、止まってるぅ!!!」
「生きてるぅ!僕たち、生きてるぅぅぅ!!!!漏らしちゃったけどぉ!!!!!
「「「「「「「「「「「いぃぃぃやっっったああああああああああああああああ!!!!!漏らしたけどおおおおおおおおおおおお!!!!!」」」」」」」」」」」
「へ、へへ………終点、だ、ぜい………」
大の字になって倒れた。
「………ぉーぃ、おーい、社長ぉー!」
ハッ
「んあ?」
「あ!目を覚ましたぁ!ソートさあん、起きましたよぉ、社長ぉ!!!」
「なあんだ、フルメタルの棺桶を発注しかけてたのに、ざあんねん。」
「子供たちも皆んな無事ですよぉ!一億、入りましたあああああ!!!あとは社長がくたばってるかどうか、でしたよぉぉぉ!!!よかったですねえ!!!」
「んだあ?お俺ちゃあんがあ、こおんなことでくったばるかあ?んなわけえ、ねえだっろいっ、」
ガックシ
立とうとして、膝を折る。身体に力が入らない。
「ほらぁ、ボロボロじゃないですかぁ!こんなときぐらい、イキらないでくださいよぉ、みっともなあい!」
「でも早くここを立ち去らないと、治安が来ちゃう。サカは動けないみたいだし。ヒナさん、肩貸したげてよ。」
「ぃいっらねえ、よお。一人でえ、いっける、」
べっしゃあ
「もーう、社長もいい年なんだからぁ。ほぉら、よいせっとお。行きます、よっと!」
サカの下に肩を入れ、支えてやる。
ふわっ
あっ………いい香り…意外と…?
焦げ臭いけど、何だか男の人の匂いがする…やだ、ちょっと、ドキドキしちゃう…
それに、腕の筋肉、すごおい…逞しい…
やっぱり社長、社長って………
「…おっっっもおおおおおおおおおおおおおいいい!!!!!何キロあるんですかああああああ????!!!!逸ノ城、なんっ、ですっ、かああああああああああ??????!!!!!」
「ばぁろぉ、せいぜい、朝青龍、くらいだぜい。」
「筋肉詰まってるし、服が防弾防刃仕様だからね。特殊繊維に、鉄板入ってるところもあるし。見た目の三倍は重いんじゃないかな。」
「きっっっつううううううううううういいいいいいい!!!!肩が外れるううううううううう!!!!ソートさんもおおお、手伝ってくださいよおおおおおおおおおおおお!!!!!」
「無理無理。電車のドアも引けないの見たでしょ?パワー無いの。頭を使う分、パワーは省エネがモットーなの。そこの誰かさんとは違ってね。」
「んだあああ???おうこらソートオオオ、舐めてんじゃあねえぞおおお。」
「…覇気が無いね。本当に弱ってるんだ。珍しい。医者に連れていこう。もうちょっと先でタクシー呼ぶから。ほら頑張って。」
「もおおおおおお無理ぃぃぃいいいいいいい!!!!せめてえええええ!!!!ボーナスゥゥゥ!!!!アッッッ!!!!プゥゥゥゥ!!!!してっ!!!!くだっ!!!!さあああああいねえええええええええええええ!!!!!」
「ったあくう、現金な野郎だぜい。わあったよ。」
パアッ
超~~~笑顔。
ドッヒューーーーーン
「やったあああああああああ!!!!!!行きましょう行きましょう、すぐ帰りましょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおうううう!!!!」
「んだあああ!!!急に走るんじゃねええええ!!!!痛っ、肩いってええええってえええええええええええええ!!!!こぉんのぉ、クッッッソヒナアアアアアアアアアアア!!!!」
「だからタクシー呼ぶんだから待てって、脳っ無っしぃコンビイイイイイイイイイアアアアアアア!!!!!!」
東京某所にて。
日本大賢者党の乱はこうして鎮静化した。
電車の暴走も、なんやかんやで大納言が主犯として処理された。
実は電車を暴れるだけ暴れさせ、強引に停車させた後、瞬く間に姿を消した集団がいたことはそんなに知られていない。
それと翌日は鉄道会社の努力により、普通に全線復旧し、普通に出勤できた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます