まおたお 外伝
久瑠璃まわる
サラの婚活 1
「お嬢様、お時間よろしいでしょうか。その重要なお話が......」
「重要?何かしら?」
「
⚪︎⚪︎⚪︎
大っぴらに会ったりは出来ませんが、たまに手紙を送るくらいに仲は良いですよ。
そんな事より!今年で32歳になるんです!あぁ、お嬢様にお仕えして早19年と少し。お嬢様にはカリア様と言う婚約者ができ、今は居られませんがラッテ様という打算を介さない親友もございます。
そろそろ私も自身のことを考えても良いのでは?と2人の毎日を傍目に見て思うのです!
つまり!
「私、サラは結婚がしたいのです!」
「......はぁ」
「随分と興味が薄いんですね」
「ん〜、興味が無いわけではないの。サラからこう言う話題ってしてこなかったでしょ?意外だったのよ」
「そうなんです。最近、同期の者達や領地に帰った友人達から第二児が産まれたとか、初等部への入学が決まった。とか。それは嬉しい報告が多数有りまして。えぇ」
「それは、その。堪えるわね」
えぇ、ほんとそうなんですよ。最初は良かったんです。学生時代を共にした友人が「私、⚪︎⚪︎さんと結ばれる事となって」と。そりゃ私も我が事の様に喜びましたよ?奮発して消化に良い果物を幾つか見繕い手渡しをしましたとも。それでもですね。また1人また1人と結婚の報告を聞くたびに奥底に閉まっていた焦燥が燻るのです。それでも私には仕えるべきお嬢様が居ました。恥じない様、粗相のない様に自身を磨き上げ、城(職場)での人間関係も細心の注意を払い結婚"など"という事から全力で逃げ......
「......ラ、サラ!帰って来なさい」
「っ!......わ、私は一体、何を」
「サラが深刻だという事は良くわかったわ。これはあまり言いたく無いけど、貴方の結婚って結構難しいわよ?あ、睨まないで。年齢の話なんてしてないでしょ。やめて、机を回ってこないで」
「で、ですが」
つい気が逸り身体が前のめりになってしまいました。
「まず一つ。サラは私の秘密を知り過ぎている。城の工房含め、機密を保持し過ぎているの。そして二つ。サラは唯一の専属侍女って事よ。。サラの下で働く侍女は多いだろうけど、その立場は容易に声を掛けれないわ」
「はぁ、お嬢様に取り入りたい人達からしてみれば格好の的ですね、私って。純粋なお付きあ」
「待ってまだあるの。最後に三つ。サラは出会い自体は多いはずなのよ」
「!っな!!!確か、に、はい。そう、なのかも、知れま、せん」
「認めなさい、サラ。重鎮相手に面会の予約を取りに行く際はサラが行くわよね?厨房へ品の変更を言うのもサラがしていると聞いているわ。私相手に登城する商人もサラを連れて行ってるわ。最近なら屋敷に来る商人もサラが対応してる。庭師から他部署まで細かい所を上げたらキリがないけど、サラは多様な人と日々関わりを持って生きているのよ」
「......はい。申し訳ありません。私がふがないばかりかお嬢様のお手を煩わす様な真似をしてしまいました」
お嬢様に指摘を受けると、思っている以上に人との交流があったと自覚する。
「サラを責めたいわけじゃ無いわ。サラを縛り付けているのは私の我儘だもの。サラが本当に望んでいるなら私も手を貸すわ」
「!お嬢様っ!!!」
「今日は執務に戻らないといけないから次までに、具体的に誰が気になってるとか、こんな人が好き。みたいな理想を考えておいてちょうだい」
「はいっ!!!」
思い切ってお嬢様に相談して良かったです!
......好きな人、気になってる。困りましたね。お嬢様やカリア様に対する好きとは別なのでしょうか。
⭐︎⭐︎⭐︎
https://kakuyomu.jp/works/16817139558500626379
こちらが本編となります
本編(精霊術師)の外伝(まおたお)の外伝とはこれ如何に......
応援やコメント、誤字脱字の指摘があれば私が泣いて喜びます。
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