後輩は、酷くあまく言いたげだ

第2話

――――――……




「すみませーん」




がやがやと賑わう夕飯時のファミレス。



皿を重ねたお盆を持って、またはオーダー機を持って動き続ける店員に、食べ物を待つか食すかの客。


店内のどこかで、子どもの騒ぐ声も聞こえる。






「はい、只今」




一声返事をして近寄れば、ズラッと発せられるオーダーの数々。途中で取り消すだの加えるだのともめ合う目の前の家族、というより夫婦。






こういうのは、決めてから呼んでほしいわ。






なんてことを思いながら注文を取り、再び店内を巡回してゆく。







「竹永さーん、これ8卓追加のねー」



「はーい」




名指しで呼ばれた私はその料理を持ち上げ、運びゆく。






「お待たせ致しました――…」




右手で湯気の立つ料理が乗る皿を持ち上げたまま、ふと何かの気配を感じる。



それは主に、顔面の右側。

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