第51話

「汚いでしょう。私達……」




「そんなことないよ!」




「いいんだ、気を使ってれなくても」




「トモ子、帰りな」




髪をかきあげて鼻をすする。




「トモ子と仲良くできて良かったけど…… ごめん」




「えっ!でも普段遊んだりは私!」




「だってトモ子に汚いもの見るような眼で見られてると思うと辛いし……」




私の眼から涙が流れた。



さらに続ける。




「トモ子はキレイのままでいな。私達はもう汚いけど……でもこれしかないんだ……お互いを信用するには一緒にこうしないと」



ウソの涙に濡れた目でトモ子を見つめた。



「ごめんね。こんな私はトモ子イヤだよね……でも私はトモ子と一緒にいたかったな……」





「理央ちゃん、私、一緒にするよ!みんなと一緒に!」




意を決したようにトモ子が言った。

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