第45話

ボーっとしていた意識がはっきりしてくる……



この瞬間はいつも気持ちが良い。




シャワーを浴びるたびに生まれ変る。




タオルを巻いてバスルームから出るとトモ子が帰り仕度をしていた。




「あれ、どうしたの?」




「ごめんなさい、熟睡しちゃって……」




「もうじきみんな来るしシャワー浴びなよ」




「そんな、悪いよ!」




「友達同士じゃん。私達」





タオルで髪を拭きながら寝室の化粧台に座るとトモ子がついてきた。




「ありがとう」




「ああ、家が心配?電話しなよ。私の家に泊まったって」




「でも、そうしたら理央ちゃんに迷惑かかるし」




「大丈夫だって、私は。なんならかわってあげようか?」




「だ、大丈夫。自分でするから」




「ほら、トモ子にマンガのこと私が教えてもらってたって言えば」




「うん!そうだね」




やっと笑った。




手間がかかる。

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