クラス転移した俺は異世界でコウモリ男になる
黎乃エイト
第1話 その男
桜咲く季節 暖かな春が訪れ俺、空森 幸はこの美空高校の3年として初めての1日のスタートをきる。代わり映えのない毎日、変わらない顔ぶれ当たり前の日常がそこにはあった。あったはずだった。
刹那に教室に浮かび上がる魔法陣、その光景はとてもじゃないがいつもの日常とは縁遠い明らかな異質だった。何やら声をあげる者、外へ出ようとする者、固まる者その異質かつ非現実的な光景に誰もが戸惑っていたその瞬間、俺は気を失った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「...らもり......空森、空森起きろ、」
「んぁ?なんだ?」
「良かったぁ、一応全員無事っぽいな...」
委員長の赤城が安堵する、体を起こし周囲を見回す。皆俺と同じように戸惑っている 視界に入るのは見たこともない豪華な作りの玉座?のようなものと鎧を身にまとった者たち、そして偉そうに構えているおっさんやおばさん、豪華なドレスで着飾った綺麗な女の人、その時 1番偉そうなおっさんが口を開いた。
「よく、召喚に応じてくださった。勇者様方。」
召喚?応じた?何言ってんだこのおっさん、その疑問を代表してくれたのは委員長の赤城だった。
「召喚とかなんですか!ここはどこであなたは誰なんですか?勇者ってなんですか!!!」
「まぁ落ち着いてくれ、驚くのも無理は無い。ワシらも初めてのことで、少し説明をさせてもらおう。」
「ここはグレント王国。そしてワシがこの国の王であるグレント・ルドルフだ。君たちは勇者として選ばれこの世界に召喚されたのだ。すまぬがこの国を、世界を救ってはくれぬだろうかは」
おっさんの長ったらしい話を要約すると、この国、グレント王国は今 他の種族と人類の存続をかけた戦争中らしい。しかし状況は悪く、防戦一方の現状を打破するため古代の文献にあった勇者を召喚し、世界を救うべく俺たちをここへ呼び寄せたってことらしい。
「君たちはこの世界に来る際にギフトと呼ばれる特別な力を授かっておる。念じれば己の能力がわかる。少し落ち着くためにも各々で確認して欲しい。数刻後にまたこの広間に集まって欲しいので部屋へ案内をする。気になることもあると思うが少しばかり待っておくれ。」
なんだこのじじい、なんて疑問は晴れぬまま俺たちは武器を持った鎧、もとい騎士に先導され別室へと移動させられることとなった。
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