終末の音、終末ノート

 春が来たら、また忘れてしまうんだね。

 永遠とお別れして。

 君と再会して。

 お互いにまた恋をして。


 そんな輪廻のような鎖を破壊するのだ。

 今際のベッドのその楽園、快楽の園。

 知らなければと、彼岸でも

 預からなければと、繰り返す。


 冥冥、薄命、自我自明

 悲しくないよ、嬉しいんだ

 冬の日は晴れ

 世界は終わる


 ラカン・フリーズはわからない


 わからないから絵を描くんだね

 リーゼル立てて、雪の中


 わからないから作曲するの

 暗い部屋にて一人きり


 わからないから詩を書いたんだ

 全能の詩を、今ここで


 わからないから小説を

 全てを知るため、求め続けて


 魂の色を

 本当の声を

 終末の音を刻むんだ


 終末の音、終末ノート

 終末ノートに刻むんだ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る