フリーズ29 散文詩『終末の音、終末ノート』

空色凪

薔薇の門

 囀る鳥の発つ水辺は、ゆらゆらと揺らいでいる水面には、白水晶を反射させたプリズム光のような、隅田川の夏夜を彩る花火のような、輪廻の永久で輝く魂の奔流のような、そんな死の色が見えた。


 修羅の国へ行けるのか

 虚しさだけで、行けるのか


 わからないから、叫ぶんだ。雄叫びを上げる。劈くような。せめてもの償いだ。水が満ちる。盃に満ちる。月が翳って、照る陽は廻る。


 君が住む魔、逢魔時

 それさえやめて、時雨時


 婆羅門、波羅門、バラの門

 薔薇門開けて、始めてください

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