第16話

「美希ちゃん!!美希ちゃん!!」



深澤さんは一目散にベッドへ。



怖い……。


どうしよう……


本当に死んでいたら。



もうこれで終わり?


せっかく深澤さんと両想いになれたのに。


終わりなの?



おもわず目を瞑ってしまう。


といってもヌイグルミの目は閉じれないので心の目を。



「美希ちゃん!!」



焦った深澤さんの声。



ドサッ!!



え!?


深澤さんが崩れ落ちた。



……やっぱりダメだったんだ。


泣きそうになる。



「……はぁ~~~っ!!」


『??』


「美希ちゃん、大丈夫だよ」


『……え?』


「生きてる。美希ちゃん、ちゃんと生きてるよ!!」



いよっしゃぁあっ!!と深澤さんはヌイグルミを高い高いする。



え!?


生きてる!?


私、生きてるの!?


可愛い、満面の笑みの深澤さんから視線をベッドへ。



そこには熱があるとは思えないほど、穏やかな表情で寝ている私が居た。



確かに胸の辺りの布団が上下に動くから、息をしているのがわかる。



……生きて……る。


私、生きてる!!



ソッと深澤さんは私の頬を触る。



「熱も下がってるみたい」



おお、凄いな、私の自己回復力!!


風邪薬も飲んでないのに、熱が下がるって。



「良かった」


『うん……うん!!』



ポスッとオデコを合わせ笑い合う私達。



しかし……



本体を前にしても私はヌイグルミの中のまま。



どうやって戻るんだ?



「……美希ちゃん」


『はい?』


「……キスしてみるのはどうだろう?」


「『……』」
























えええええっ!?

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