第4話

そっか……


私、死んだのか。


そっか……


まだやりたいこともたくさんあったのになぁ……


恋だって……デートだって……結婚だって……



!!??



あのっちょっ待っ!?


キッチンで手やうがいやらをしていた深澤さんが戻ってきた。


戻ってきたんだけど。



キャーッ!!


突然、深澤さんが服を脱ぎ始めた。



悲鳴を上げながらもガン見。



深澤さんはプロボクサーなんだって。


だから服の上からではわからなかったけど……



とても、鍛えられたとても綺麗な身体をしていた。


死んだことのショックも忘れ



バサッ!!



なーっ!?


深澤さんが脱いだ服を投げてきた。


見事にヌイグルミの私にクリティカルヒット。


服は小さなヌイグルミをスッポリと覆い隠し、何も見えなくしてしまう。


これが彼T!?


いやいや落ち着け私。



あ”ーっ。


見えないーっ。


動けない私にはこの服を払うことも出来ず、せっかくの深澤さんの裸体がっ。


もうっ


もう深澤さんを見ることしか出来ないのにーっ。


それしか楽しみがないのにーっ。



え?


死んだのに何言ってるんだって?


死んだからこそだよー!!



もう深澤さんを舐めるように観察するぐらいしか出来ないんだから。



「あ」



ん?



「悪い悪い」



え?



服が退かされ、ドアップで深澤さんの優しい笑顔が。



グハッ!!


カッコいい!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る