第2話

「あーもーっ! 飛んだ空振りだ!」


 突然食堂に現れたかと思えば、給仕係にメシ、と一言指示し、当たり前のように私の隣の席にどかっと腰掛けた。あまりに粗野な男の唐突な登場に虚をつかれる。

 一週間ほどでようやく普通に動けるようになり、お粥程度なら食べられるようになったので、こうしてリュカ様と食事を待っていたのだが……とんだ珍客が来たものだ。魔物は元々食事を取らなくても問題はないはずだが、リュカ様といいここの魔物は食べる習慣があるのだろうか。


「最近は剣が振れたら最強とでも名乗れるのか? 本当弱っちい奴ばっかだな」

「それは強いと聞けば君が全て倒してしまうからだろう。ギルベアト」


 特に動揺することもなく、リュカ様は落ち着いて答える。ということは、この珍妙な男は普段からこの調子らしい。


「だからって……あ? なんだ、このちびっこいの」


 ジロリと下ろした視線は私を捉えている。今まで私の存在に気づいていなかったらしい。


「紹介するよ。彼女はマナ。時巡りのリティスの持ち主だ」


 簡潔なリュカ様の紹介に、


「あー、なんか言ってたやつか。これが。へー」


 心底興味なさそうに返す。多分主人であろうリュカ様に対して失礼な男だ。そんなことを思っているうちに食事が運ばれてきた。給仕係の魔物、確かデイジー様だったはずだ。特徴的な長い耳に、その名を冠した花の耳飾りをつけた彼女にお礼を言って祈りを始める。


「リュカ様とモノクル様とデイジー様と温かな部屋と食事と私のために摘み取られた命と食べられる喜びに感謝します」

「なんだそりゃ?」


 祈りの言葉を言う習慣は、どうやら彼にはないらしい。


「彼女は食事の前に祈りを捧げるんだ。紹介が遅れたね、マナ。彼はギルベアト。戦闘を担当してもらっている」


 人型ではあるものの耳や爪等、細部に違いがあることが分かる。まあ、魔物ということなのだろう。こちらもそれほど興味はないので、一礼して食事に戻る。


「なんだこいつ病気か?」


 随分とずけずけとものを聞く男だ。


「そうだね。ようやく少し治ってきてお粥が食べられるようになったところなんだ」


 食事も与えられず死にかけていたから、なんてことは言わずに、リュカ様は肯定で済ませた。まあ、この男にそんなことを伝えても相槌ひとつで流されそうだ。


「そんなことよりさぁ」


 私の話はそんなこと扱いらしい。興味がないなら聞かないでほしいものだ。


「最近鈍って仕方ねぇんだよ。デイジー相手じゃ物足りねぇし、そろそろ手合わせしてくれよ」

「嫌だよ。三日は寝込むじゃないか」


 魔王であるリュカ様が三日も寝込むほどなのか。と、つい視線を送ってしまった。リュカ様は微笑みながらそれに答える。


「ギルベアトがね。負けると不貞寝して使い物にならなくなるから」

「今回は勝つかもしれねぇだろ!」


 なんだか今回も負けそうな台詞を吐いていた。それをはいはいと宥めながら、リュカ様は何か思い当たったような顔をする。


「そうだ。マナに稽古をつけてもらえるかな? そうしてもらえたら、時間を取るよ」

「は?」

「え?」


 ついギルベアトと呼ばれる魔物と顔を見合わせてしまった。確かに、時巡りのために魔力を高めることは重要だとは思うが……この男が教えることに向いているようには思えない。


「ガキの世話なんかリリアーヌにでも頼めばいいじゃねぇか!」

「リリーは西方へ視察に行っていて一週間は戻ってこないよ」

「でも、じゃあ誰か……なんかいるだろ!」


 同調の意思を表すため強く頷いておく。これだけ嫌がられるのは癇に障るが、ここは利害が一致している。どう考えても相容れそうもないこの男と過ごすよりは別の誰かの方が良さそうだ。


「じゃあこの話も手合わせもしばらくなしだね」

「それはっ……ああ、もう! 仕方ねーな!」


 もっと粘れという私の願いは叶わず。


「分かったよ!」


 あっさり諦めたこの魔物に一週間稽古をつけられる羽目になってしまった。美味しいお粥だったのに、その後も横で騒がれるものだから味が落ちてしまった気さえする。先が思いやられる。はぁ。


「だから、もっとバーッとなって、こうシュバババって」


 そうして、部屋を移動して始まった稽古の説明がこれである。もう駄目かもしれない。


「なんかグッと力を込める感じっつーか……分かるだろ?」


 分かるか。


「なんか言えよ!」


 一方的に捲し立てられていたので、口を挟む暇もなかった。


「発言させていただいてもよろしいですか」

「あ? まどろっこしいのはいいから言えよ」


 リュカ様とは違う理由で許可は不要らしい。


「申し訳ないのですが、愚鈍な私には仰る意味が分かりかねます。お手数をおかけして申し訳ないのですが無知な私にも分かる様に」

「だからまどろっこしいのはいいって言ってんだろ! 難しい言葉を使うな!」


 この一週間、せっかく魔物語での言い方も勉強したのに、その努力は無へ返された。この魔物はもしかしたら馬鹿なのかもしれない。難しくない言葉……うん。


「私が分かる様に教えてください」

「難しいことを言うな」

「えぇ……」


 どうしろと言うんだ。


「魔力操作なんて感覚でやってるから分かんねーんだよ」


 教えるのに滅茶苦茶不向きな人だった。いや、魔物か。


「ええと……今お見せした私の基礎魔法では何か足りないということですよね。派手さというか、小さくまとまっているというか」

「そうそう! それだよそれ!」


 急に元気を取り戻し、したり顔で言う。



「分かってんじゃねぇか」



 その顔に苛立ちを覚えるが話を進めよう。


「ただ、まだ成長途中ですので私の魔力の総量は限られています。ですので、今ある魔力を高める稽古となると思うのですが」

「あー、だからちびっこいのか。なんか足りないと思ってたらそれか」


 人間以外の魔力を持った生命体。神や魔王によって作られるのが魔物だ。最初から成体であることも多いと聞くが、彼もそうだったのだろう。ちびっこいちびっこいと言われるのは腑に落ちないが。


「足りないと言えば顔も足りねぇな」


 よく分からないことを言われた。美醜の話だろうか。


「ここへ来た時はリュカもそうだったけど、人間はそういう時期があんのか?」

「待ってください、意味が分かりかねます」


 ここへ来た時、リュカ様も、ということは美醜の話とは違いそうだ。


「なんつーの? 顔が動いてないじゃん。お前。笑ったりとか泣いたりとかないわけ?」


 ああ。

 なんだ、表情のことか。

 意識していなかったが、どうやら表情筋が死んでいたらしい。笑うと殴られるから、その方が都合は良かったのだけれど。


「リュカも大分マシにはなってきたけど、勇者だった時の方が色々動いてたしな」

「そうですか、勇者様だった時の方が」


 ちょっと待った。何か大事なことを言われた気がする。


「リュカ様は勇者様だったんですか!?」

「お、ちょっと動いた。それそれ」

「その話はいいです! リュカ様は魔王様ですよね?」

「ん? ん、あー……」


 何かを思い出そうとしているのか頭を掻いて、そして思い当たったらしく膝を叩いた。


「人間には秘密だったわ。この話ナシな!」

「納得できますか! しかも情報ザルですか!」

「ん? さるの話はしてねぇぞ」


 この魔物は本当に馬鹿なのかもしれない。お陰で貴重な情報を手に入れてしまったけど、私が知ってしまって良いような情報だったんだろうか。ザルというよりは底の抜けた桶のような勢いであっさり秘密を喋ってくれたが。



「っていうことがあった」



 そして何を思ったのか、昼食の席でそれをそのままリュカ様に伝えていた。脳にも穴が空いているんじゃないだろうか。


「あー……まあ、いずれ分かると思っていたけど、うん」


 この微妙な空気をどうしてくれよう。どう考えても今知るタイミングじゃなかった。


「流れで仕方なかったな」

「ギルベアト様が勝手に話されただけです」


 巻き込まないで欲しい。どんな流れがあったというんだ。


「大体秘密だってんなら他の奴に言うのが間違いなんだよ。俺だってお前から貰ったバングルなくしたの誰にも言ってないしな」

「なくしたんだ」


 いっそ清々しいほど開き直りながら秘密をペラペラと喋っていた。



「しまったぁ!」



 馬鹿な魔物だった。


「一応貴重なものだから見つけておいてくれよ」


 リュカ様は苦笑しながらそれだけ言って食事に戻った。多分よくあることなのだろう。リュカ様が勇者だったという重要な話も流れた気がしたが、特段問題はないか。私にはあまり関係のないことだ。リュカ様の食事は元人間の名残ということが分かって、疑問が解けただけでも良しとしよう。大した疑問ではないので解けなくても問題はなかったのだけれど。

 そうして、午後からも稽古だったはずなのだが、先程の部屋とは別の場所へ連れて行かれている気がする。どこへ行くんだろう。


「思わないか、ちび助」


 私のことだろうか。


「一週間以内に見つければなくしてないって」

「思いません」


 どんな理屈だ。


「ちなみになくしてから今日で一週間だ」

「そういうことでしたか」


 馬鹿の理論だった。


「そんなわけで午後からはバングルを見つける鍛錬を行う」

「えぇ……」


 稽古とか鍛錬を付ければ何をしてもいいと思っているんだろうか。


「リュカが言ってたとおりアレ補助魔法がかかってるんだよ。だから、魔力探知で探せると思うんだよな」

「その……ギルベアト様がされたらよろしいのでは?」

「こまごましたのは好きじゃねぇんだよ」


 確かに、地味な補助魔法よりは派手な攻撃魔法の方が好きそうに思える。


「分かりました。ただ、上手くできないかもしれませんが」

「俺よりゃうまいだろ」


 そんなに苦手なんだろうか。返す言葉に困り、とりあえず探索魔法を展開する。対象を魔力を発するもので、生命体以外に絞って……。


「……滅茶苦茶あります。そこら中」

「そりゃそうだろ。魔王城なんだから」


 ぬかった。家の中で落とし物を探すのとは訳が違うのだ。


「なんか色とか出てないか? リリアーヌはかけられた魔法で赤とか黄色に見えるとか言ってたけど」

「そうですね、私の場合は音です」


 魔法も扱う者によって性質が違う。リリアーヌ様という方は目に特化しているようだが、私は耳だ。目を閉じ、耳を澄ませるとあちらこちらから音が響く。中でも一番大きいのは……ギルベアト様自身から聞こえる。


「ギルベアト様は何か強い魔力を持つ物をお持ちですか?」

「おう。このマントもリュカから貰ったんだが、古代の強力な防御魔法がかけられてるとかで貴重な物みたいなんだわ」

「だからかもしれません。強い鈴の音が聞こえます」

「前に四天王だった時もなんか色々貰えてたし、こういうのがあるのは強い魔物って証なのかもな」

「そうでしたか。前に四天王」


 相変わらずぺらぺらと貴重そうな情報を得意げに話してくれる。聞きたい気持ちもないわけではないが、これではいつまで経ってもバングルを見つけられなさそうだ。一先ず無視して意識を集中しよう。


「貴重な物でマントと同じ補助魔法がかかっているということは、この鈴の音と同じ音が聞こえるところを重点的に探すと良さそうです」

「おう。よく分からんが任せた」


 稽古をつけられているはずなのに、全く師匠感がないがまあいい。ギルベアト様の周囲を除外して対象を鈴の音に絞る。単純な探索魔法なら良いが条件が付加されるとなかなかに負荷がかかる。必ず目的のものを見つけられるという探索のリティスでもあればすぐに終わる話なのだろうけれど、そこは選ばれしリティス持ちでないゴミリティス持ちの悲しいところだ。


 まあ、探索魔法をただ使うだけでは魔力を高めることにはならないけれど、限られた魔力を効率的に使って目的を達成するという意味では稽古にはなっているのかもしれない。前向きに考えよう。そうしよう。


「近いところに三つあります」

「よし、んじゃ行くか!」


 大広間に調理場に食堂。回ってはみたもののバングルはなかった。その後も同じように探すがなかなか見つからない。そして、魔王城は思っていたよりも広かったので単純に歩き疲れた。魔力消費も激しいし。


「あとは地下方面に反応がありましたが……」

「あの辺は祭壇と墓所くらいしかねぇから違うな。俺が行きそうなところも全部行ったしなぁ」


 二人して悩んでもバングルが出てくるわけではない。そろそろ夕刻にもなる。


「また明日にしましょうか」

「いや……ここは潔くなくしたことを認めて謝るか」


 そこはもっと前に認めておいて欲しい。


「ちび助もお疲れさんだったな。そうだ、ちょっと待ってろ。確かこのへんに……」


 言いながらズボンのポケットの中に手を入れゴソゴソし出した。ポケットの中に空間魔法でもかかっているのか、意外と物が出てくる。


「モノクルに前貰ったんだがどこへやったっけな……あったあった」


 出てきたポプリは、私を看病してくださったモノクルをつけたうさぎ魔物ことモノクル様が作ってくれたものらしい。良い香りがする。


「自己治癒能力を高めるだかなんだかだってさ。お前病気なんだろ? やるよ」


 正確に言えば、私は病気ではないのだけれど。


「……でも、モノクル様からの頂き物なのでは?」

「みんなに配ってたやつだし、俺にはあんま必要ないしな。ほら、今日お前頑張ったろ?」


 頑張って。

 頑張って、いた。

 そんなふうに、自分を認められるのはいつぶりだろう。その上、対価まで貰えるなんてことも。



「……ありがとうございます」



 病気じゃないから本当は必要ないなんて本音は言えず、目を閉じ、抱きしめるようにポプリを持つ手に力を込める。馬鹿だけど、本当に馬鹿なんだけど、きっと悪い魔物ではない。


「しかし、ポケットに結構入ってたな。ここも整理しねぇとな」

「……そうですね。ところでギルベアト様、これはなんでしょう」

「おう、バングルだな。これも前にリュカから貰ったもんだ」

「そうですか。私たちが探していたものは?」

「バングルだな」


 自分に探索魔法が反応した際、ギルベアト様はマントがあるからだろうと語っていたが。


「おお!」

「おおではないですよ! 今日一日何のために歩き回ったんですか!?」

「このバングルのためだな」

「そうなんですよ! そうなんですけれど!」


 そうして、無事にバングルが見つかり、



「ということがありました」



 夕食の際、今度は私からリュカ様にご報告した。


「それは大変だったね」

「とても大変でした」

「でも無事に見つかったからな。結果オーライってやつだ」


 仮にそうだとしてもギルベアト様に言われたくはない。そんな意味を込めた視線に気付いたのかリュカ様は笑みを浮かべる。


「ただ、安心したよ。マナが呆れたり怒ったりできるようになったから」


 そういえば。ギルベアト様といると、その存在の不躾さになんだかこちらものせられてしまうというか、つられてしまっているような気がする。


「俺のお蔭ってわけか。悪くはねぇな」

「呆れたり怒ったりでそこまで得意げにされても困りますが」


 そんな会話をしている間に食事を運んできてくれたデイジー様にお礼を言い、いつものように祈りを捧げる。

「リュカ様とモノクル様とデイジー様と……」


 横から視線を感じるが無視しておこう。


「今日一日を無事に過ごせたことと温かな部屋と食事と私のために摘み取られた命と食べられる喜びに感謝します」

「俺は!?」


 横がうるさい。


「感謝は自発的に行うもので圧力に屈して行うものではありません」

「せっかく稽古つけたのに!」


 あれは果たして稽古だったんだろうか。


「まあ、いつか加えてもらえるようになるといいね」

「いつかっていつだよ!」

「食事が冷めますよ」


 ギルベアト様がリュカ様に食って掛かっている間にお粥をいただく。ペッティーネという貝が入っているそれは、疲れた胃に沁み渡る優しい味がした。美味しい。そうして、ギルベアト様が横でぎゃいぎゃいと騒いで食事を終え、さらに愚痴を言いにクリス様のところへ行った後、部屋までリュカ様が送ってくださることになった。


「聞きたいことがあるかと思って」


 しばらく歩いた後、リュカ様は徐に口を開いた。昼のギルベアト様の話を受けてだろう。


「あれは、ギルベアト様が口に出されただけです。誰にも言うつもりはありません」

「君自身は?」


 確かに、聞きたいと言えば聞きたいし、気になると言えば気になる。今は魔王で昔は勇者だったリュカ様。昔は四天王を務めていたらしいギルベアト様。どうしてリュカ様は時巡りをしたいのか。知りたいことだらけだ。ただ。


「私がお聞きしてよいことか分かりません」


 ただ聞くだけ。聞いて何ができるというわけでもない。私が聞いて、そうかそうかと納得するだけだ。リュカ様にとって、何の益もない。


「マナが聞きたいと思った時に聞いてくれればいいよ」


 私に教えるメリットは何もないだろうに、リュカ様はそんなことを言う。


「どうしてですか」

「僕は、君の命は奪うけれど、自由まで奪いたいわけじゃない。聞きたいことはいつでも聞いてもらって構わないし、言いたいことはいつでも言ってほしいから」


 さすがにここから逃げたいっていうのは認められないけど。苦笑しながらリュカ様は付け足した。いきなり与えられた自由は少し戸惑うけれど。


「では、リュカ様」

「うん」

「食事の席は、ギルベアト様と離してください」

「え?」


 虚を突かれたようなリュカ様の顔に、少し満足する。


「食事に集中できませんから」

「うん、まあ。それはそうだね。善処するよ」

「ありがとうございます」


 少し、置いて。


「その他のことは、リュカ様が話されたいと思った時にお聞かせください。聞きたい時は、その都度お声掛けするようにします」


 先ほどの質問の答えが返ってきて、リュカ様もホッとしたような顔をされる。良かった。受け入れてもらえたようだ。


「分かった。今度時間を作るからその時にゆっくりと」

「ありがとうございます」


 その後は、他愛のない話をして、部屋について一人になる。飛び込んだベッドは、今日もふかふかで心地良い。

 理由は分からなくとも、近い将来死ぬことになったとしても、今の温かい食事と快適な住まいに勝るものはない。それに。


『リュカも大分マシにはなってきたけど、勇者だった時の方が色々動いてたしな』


 昔、勇者様だったというリュカ様は、果たして悪逆の限りを尽くす魔王と同一の存在なのだろうか。


 まあ、いいか。


 今日は魔力を大分使って疲れた。寝間着に着替えて、早めに休もう。もしかしたら明日もギルベアト様に稽古と称した何かをさせられるのかもしれない。そうだ、確かいただいたポプリもあったはずだ。うん。考え事はまた明日にすることにして寝てしまおう。だって。


「おやすみなさい」



 誰に言うでもなく、その言葉を口に出して目を瞑る。




 きっと、死期はまだ先なのだから。

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