1540年 佐助7歳 アニキ結婚 パン作り
1540年 佐助7歳
第一次安城合戦 織田信秀が三河への浸透
吉田郡山城の戦い
正月にアニキが元服をして名字を名乗るようになった。
ちなみに家の名字は内葉と言うらしい。
NAR◯TOじゃないんだからと突っ込みは置いておいて、だいたい12歳になったら元服して一人前になるらしい。
で、アニキはそのまま近所の蜜璃姉さんと結婚していた。
正月終わって早々結納を神社で行い、家の跡取りとして活動することになる。
で、アニキに子供ができないと俺も自由に動けないので転生前の知識で童貞のため使うことの無かった子供が作りやすくなる知識を奇妙に見られることを承知で行った。
ちなみに俺の今の仕事は水汲みと洗濯の手伝い、薪拾いくらいであとは結構自由にできる時間があるので、ウナギを取ってきて蒲焼きにしたのをアニキに食わせたり、蜜璃姉さんの洗濯物で生理周期を把握してそこからオギノ式で逆算し、アニキに占いとか吉日とか言って子供ができやすい日を伝えた。
するとこの年に無事蜜璃姉さんは妊娠し、11月頃に兄さんの子供が産まれる事になる。
蜜璃姉さんが14歳(現代換算で13歳)なので少々出産は不安だったが、安産で赤ん坊が産まれてくれた。
元気な男の子で大和という名前が付けられるのだった。
アニキ達がラブラブして夜の大運動会をしている頃、領主の織田秀敏から動員がかかり、アニキと親父が出陣していった。
2人とも養蜂で得た金で買った新しい槍と防具を身に着けて出陣し、親父もアニキも無事に帰ってきてくれた。
「佐助、今回の戦で敵から脇差しを奪ったからお古の脇差しをやるよ。大切に使えよ」
「ありがとうアニキ!」
武器を手に入れられました。
他にはアニキが元服したことでガキ大将が空席となり、家の大きさと武士階級ということで伏龍丸がガキ大将になったが、伏龍丸は体力はあるが運動音痴なので俺と虎徹、幸之助が補佐をする形になった。
普通は年功序列だが、俺と幸之助は養蜂で村人から一目置かれているし、虎徹と伏龍丸は家が裕福なので歳よりも実績と親の力で成り上がった。
「でだ、何かやりたいこととかあるか?」
と、言われたので俺が提案をする。
「裏山に荒地でも育つ芋を手に入れたから植えてみないか? 上手くいけば増えると思うから」
「でも隠し畑となったら大人がうるさいだろ?」
「草を刈って少し土地を作るだけでいいからさ」
「……まぁ隠し畑にならない程度なら良いか。幾つか分散して植えるか?」
「そうだな。それでいこう」
というわけで大人達が薪を取るために木を切り倒して放置してある場所に行き、雑草を引っこ抜いて、軽く土を掘り返した。
「どんな芋を植えるんだ?」
伏龍丸に聞かれたので、俺は籠に入れたさつまいもを出した。
「なんだこれ? 赤い芋か?」
「薩摩芋って名前で薩摩の方から流れてきたらしい」
「どこからこんな物を?」
「旅の坊さん助けたらくれた。家の隅で育てたら増えたからやってみようと思ってな」
「美味いのか?」
「美味いし腹にたまる」
「そりゃ良いな。春植えて秋になるのか?」
「そそ」
皆で草刈りをした場所に種芋をどんどん植えていくのであった。
ホームセンターで俺は廃材や資材を使ってクロスボウを自作してみた。
「こうか? ハンドルで弓を引く構造だと……」
クロスボウよりコンパウンドボウの方が滑車を使う事で簡単に作ることができたが、クロスボウ作りも挑戦していた。
しかしなかなか上手く作ることができず、黒板に図面を書いたりしてあーでもない、こうでもないと色々考えていた。
コンパウンドボウは弓に滑車を取り付けるだけなのでホームセンターの資材が無くても似たのを作ることはできるし、コンパウンドボウであれば非力な者でも遠くに速く矢を飛ばすことができる。
普通の弓より壊れやすいのが欠点だがお子様ボディの俺にはちょうど良いだろう。
駐車場に設置した的に矢を放つ。
矢じりがついてないので刺さらずに的に当たって落っこちるが、100メートルくらい離れていても当てられるようになってきた。
次は外で遊びながら試すとしよう。
「廃材で弓を作ってみたんだが」
子供が集まっている所で皆にコンパウンドボウを見せた。
最初は滑車が付いているのになんだこれと言われたが、滑車を使う事でと弓を引きやすくしていると伝えると納得し、弓の訓練をしている虎徹が試しに矢を放ってみると、スパンと木に矢が綺麗に刺さった。
「「「おぉ!」」」
子供達が皆歓声をあげる。
「どうだ虎徹」
俺が聞くと
「今までで一番扱いやすい弓だな。修行で使う弓の数倍引きやすいし、俺の力でもしっかり引ける」
流石に弓の引き方を覚えてない者が扱うのには難しいが、虎徹に皆教わりながら弓遊びをし始め、たまに鳥を射止めることにも成功し、メキメキと子供達が弓を覚えていくのであった。
で、幸之助に滑車を枡型にした複製品を作っては貰えないかと頼んだ。
最初は
「めんどくせぇ。佐助が作れるなら佐助が作れよ」
ご尤もなことを言われたが、俺が作ったのはホームセンターの工具をバリバリに使った為、この時代の技術的な複製が困難なのだ。
なので幸之助に頼みこみ、複製をしてもらおうとした。
幸之助も
「期待するなよ」
と言ってコンパウンドボウを受け取ると複製を開始するのだった。
幸之助は親や弟子の人達にも協力を頼み複製を試みる。
最初は失敗の連続だったらしいが、半年後には形にすることに成功し、猟師に渡したところ凄く高評価を頂いた。
「滑車が回るから音が出るから猟には向かないかと思ったが、それ以上に射程がいつもよりも弓が引けるから伸びる。しかも非力な者でも使えるのは大きいぞ」
とのこと。
流石に猟師と一部の村人が使うに留まるが、またしても俺の名声が上がるのだった。
ちなみにたまに狩りが成功すると肉料理が食卓に並ぶこともあるのだった。
【健康が上がった ふくよかさが上がった 村人の評価はカンストだ 子供達の評価が上がった】
二毛作で小麦とか大麦がつくられるが、麦も粥にして食うのが一般的で、パンにする文化が無かった。
作られてもうどんである。
いや、一部地域では酵母の入ってない硬いパンモドキが作られていたが、小麦の値段が米に比べると凄く安いことに着目してパンを作ることができないか考えていた。
ある日園城寺和尚のところで勉強をしていると、裏で何やら良い匂いがすることに気が付き、和尚に聞くと酒を造っていると言われた。
「和尚、今度酒粕をいただくことはできないでしょうか?」
「酒ではなく酒粕か。それならば別に良いが……肥料とかにしかならんものだぞ」
和尚はそう言うが、俺は親父とアニキに美味い食べ物作るから小麦を分けてほしいと頼み、今までの行いから食べ物で遊ぶとは思われず、分けてもらうことに成功した。
その小麦をホームセンターの小型製粉機で製粉して小麦粉にし、和尚の前で酒粕と小麦粉を練って発酵させるとパンの元が完成した。
勉強している間に寝かせると大きく膨らみ、和尚は大層驚いていたが、寺にある竈を使わせてもらい焼き上げると丸いパンが幾つか完成した。
酵母と小麦粉と少々の塩で作ったそれはカンパーニュと呼ばれるパンにそっくりであり、パンを食べた和尚やお弟子さん、一緒に学んでいた友達達も美味しさのあまり感極まっていた。
「酒粕と小麦粉と塩で、こんなにも腹に溜まる食べ物が作れるとは!」
「美味い美味い!」
「味噌を塗ればもっと美味いぞ」
お弟子さん達も興奮気味。
「是非とも村人に広めようと思うが!」
「どうぞどうぞ……あ、でも定期的に酒粕を分けてくれると助かります」
「良い良い! こんな良い物を見つけてくれたお礼じゃ! まさしく佐助は神童なのかもしれんのぉ!」
家にパンを持ち帰ると家族一同めちゃくちゃ喜んでおり、炊いた米とも粥とも違う食感に感動していた。
「うめぇ! 流石佐助だ! よくこんなのを思い付くな!」
「ただ小麦粉を作るのが手間なんですよね。石臼で輓かないといけないですし」
「でもこれは粥にして食うよりこっちの方が美味しいわ! 佐助君! 私も手伝うから週に1度は食べたいわ!」
「ええ、これ作るのに酒粕が必要なので寺に勉強しに行くときに素をもらってきますよ」
【健康が上がった 家族の評価はカンストだ 寺の評価が上がった】
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