第2話



…………なんでこうなった???



無我夢中で家に帰り、玄関のドアを閉めたところで我に返って愕然とした。



はぁはぁ…と息切れが止まらない。喉が苦しい。動悸がすごい。胸が痛い。



体の底から酸素を欲しがっているのに、まったくもって追いつかない。


酸欠の脳はうまく働いてくれないままだけど、どうにか動いてくれないと困る。




………どうしよう。なにこれ?


なにこれなにこれなにこれなにこれ???





終業後、誘いを断ったのはもはや遠い記憶。


なんだかんだと言いくるめられ、会社帰りにそこそこ高級なイタリアンレストランに連れていかれて、ポルチーニ茸のフェットチーネとスパークリングワインを美味しく頂いたところまではこと細かく覚えている。もちろん、全部あの男の奢りで。



だけど、そこからどうしてこうなったのかは全く分からない…。



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