第9話

「やっと言った」




俺は小さく囁き、笑った。


その後も、だから、と続ける梨花に歩み寄る。





――…グイッ




「…!?」



肩を抱き寄せると、泣き顔の梨花がこっちを向く。


「……梨花、」









ちゅ







「、ん」



梨花の頬は一気に染まった。




「……え!?」



このとき、少しだけ照れ隠しに染まった頬は、夕日のせいにして。



梨花の耳元で、囁いた。











「絶対俺にキスさせるよね、お前」





と。

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