第127話
「ハーーーーーーーーイ。ズキくんと、ジリくんのおジカンで~すよ~~~~」
「瑞樹」
「だーめっジリくん!ちゃーんと俺のこと『ズキくん♡』って呼んで?」
「それ何かメリットある?」
「…呼んでくれたら社食2回奢る」
「ハーイズキくん♡」
「……」
『梅ノ宮の霙さんが、何故か関係あったのは相良の他、またも同い年の阿部 朝希さんではなく――――そこからまたひとつ年上の阿部 瑛都さんの方であった』こと。
流石にそこまでの情報だったそれを深堀り調査すべくその日の内に繰り出してきたお節介…否!ブカオモイな俺たちズキジリボーイズ(30)☆
俺はラウンドなサングラスを指先で押し上げ、ジリくん♡と一緒に壁に隠れて梅ノ宮の霙さん、の様子を窺っていた。
ジリくんは俺から目を離し、揃いのサングラス越しに視線の先を辿る。
周囲では、ざわざわと俺たちの不審者っぷりが囁かれていた。
「ズキくん」
「なーに。ジリくん」
「サングラスかける必要、」
「あるよ」
「ほんとに?」
「あるよ」
「ふぅん」
ジリくんは少し唇を尖らせて向き直る。かーいいなぁ!
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