第115話
「へー。まだオマエ――――」
何かを囁いた相良は手を離し、梅ノ宮サンを一瞥して一瞬こちらに目を遣り、その場を後にした。
「え、今相良え、ぁこ、こあ「瑞樹」「ぎゃあ!!」
「ウルサ…梅ノ宮さんに気付かれちゃうよ?」
「ごごごごめんひじき」
「ひじき」
「ごごごごめ、ひじ、ひ」
後ろの階段からやってきた聖は壁の向こうを覗いて梅ノ宮さんに気付かれてないかを確かめた後背中を擦る俺に小さく溜め息を吐いた。
「瑞樹。悪質(こん)なことしてまで梅ノ宮さんと瑛都さんの関係知りたいなら俺がいったのに」
「…梅ノ宮サンと瑛都は、いじめられっ子といじめっ子の関係だった?」
「うん」
「それは」
何となく聖の口籠りから想像できていた。それ以上に今何か「阿部さんに」
「え」
「カマかけるなら相良には気を付けないとね。瑞樹の身体バラバラになりそう」
「か、会社の偉い人にオマエっていってた」
「それは阿部さんにもいってると思う」
「ううんモウイイオウチカエル…」
「よしよし帰ろ、席にね」
「ひじりー」
「やだ」
「だ。抱っこ」
「こ。コーヒー飲みたいね。うん。先帰ってる」
「先帰ってるって言いたいだけじゃん!!」
❁❁❁
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