第100話
▼『みゃー』の聴取▼
――――にいにから連絡があった。
何か悪い予感がする、から騒ぎ否胸騒ぎがする…ついに実家の亀三(カメゾー)でも死んだのかと思えばどうやらウチの課のあべについて調べてほしいとのお願いだった。
よかった的中しなくて。
よかった亀三死んでなくて。
「亀三…長生き…じゃなくて何であべ…!?ボクを差し置いて…!ままぁ、いいけど」
「は」
「……っ」
右斜め向かいの席に着いているあべ。ボクの声に顔を上げた。
ボクは堪えきれぬ悔しさに顔を歪め、一度嫉妬の嵐に伏せつつも右どなりのズリくんの視線を気にすることなく真っ直ぐ前を向いて言ってやった。
「何もない。何でもない」
「はいっ」
「…雅くん」
「何だズリくん!仕事に集中したまえ!ボクの顔にごはんつぶでも付いているというのか!」
「ううん。気になって」
「まさか君も、あべのことを」
「あべ?あべのことは割と気になるけど」
「!」
「それより今雅くんの目の前にあるリストの間違えが気になって」
「!!」
ボクは、すんと目下の仕事に視線を落とす。
流石はズリくんだ。
間違っている。
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